フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

営業自粛と食材。

例年よりは出張料理の数も制限していますが、軽井沢に移って経過観察の済んでいる馴染みのお客様限定では行っています。

GW期間はまだ長野の畑の食材には季節が早く直売所を頼りますが、緊急事態制限に則ってどこも閉鎖、、。

少し遠いですが、友人のハウスを尋ねました。

 

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ここには立派なホワイトアスパラが沢山ありました。

山菜とホワイトアスパラで内容が整ったので喜んでいましたが、話を聞くとこのアスパラが行き先が無いとの事。

 

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ホワイトアスパラは通常の陽が当たらないように処理する為、アスパラよりは手間がかかり太い物では1本300円近くになります。

レストランなどでは人気の食材ですが、一般家庭では少し値段が高い食材です。

都市部のレストランは営業自粛ですし、近所の直売所は閉鎖ですから確かに難しいですよね、、。

 

せっかく手塩にかけたアスパラが良いタイミングを逃しては残念なので、軽井沢の顧客向けに自分のFacebookに投稿しました。

結果は1日で100本以上売れました。

軽井沢の方々も外出自粛で良い食材を求めていますし、農家さんも農協に頼らない少量多品種や伝統野菜を育てている方ほど出荷先に困っているんですよね、、。

農家さんも忙しいですから、自分が商品を頂いてお届けしました。

自分は料金を上乗せしていないので利益はありませんが、素晴らしい食材が無駄にならないで良かったと思います。

元々、固定費の出費のあまり無い働き方をしていますから、こうした時はいつもお世話になっている生産者の皆さんのお手伝いが出来ればと思います。

今回は上手く需要と供給を結び付けられて良かったです。

 

緊急事態宣言が延長されましたが、直売所は開けるのでしょうか。

難しい判断ではあると思いますが、近所のスーパーが対策を凝らして営業しているわけですから簡単に閉め過ぎな気もします。

全く農家さん側に立っていない。

1回閉めてしまったら好転していないのに開けるのもおかしな話ですし、食材が待ったなしで育つ農家さんにしても困る話だと思います。

 

圏内の感染者を見ていると、大抵は東京に行ったか東京からの帰省です。

こうしたデータや感染対策をしながら経済を少しずつ回す方が長野県的には良い気がします。

 

 自分は飲食側の人間ですが、いつまでもお店側には「お店は開けていいですよ。」でお客様には「3密の飲食店には行かないでください。」ではしんどいですよ、、。

早い終息を願うばかりです。

 

恒例のクレソン収穫。

先日ですが、仕事用のクレソンや芹を見に行ってきました。

 

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奥の方に少しですね。

 

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昨年の台風でどうかと思っていましたが、やはり殆ど流されていました、、。

 

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(こちらが以前の写真ですが、敷地一杯にクレソンや芹があります。)

 

こちらは残った物が拡がっている状況でしょうか。
クレソンは繁殖力が高いので来年には例年通りに採れると思いますが、今年はどうしたものか、、。
山葵もいつもは自宅近くで採りますが、こちらも完全に流されてしまいました。

今のうちに違う場所を探さないといけませんね、、。

 

Facebookに書いたら、高校時代の同級生が違う場所を教えてくれました。

 

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自分の場所はまだ小さ過ぎでしたがこちらは問題無く、これでしばらくクレソンには困らなそうです。やっと山菜鍋の目処も立ちました。

 

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通常、根から採ってしまったり採り過ぎたりと知らない人に教えるとルール(暗黙のですが)を守らない人がいる為、山菜やキノコの場所は人には教えません。

今回は同級生という信頼で教えて貰いましたが、地元、友人に本当に感謝です!

 

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早速、採ったクレソンと北信から送って頂いた山菜を鍋にしました。

クレソンしゃぶしゃぶ、最高です。
2週間後には裏山で花山椒もいけるかな。

 

旬の春の恵みは美味しいですし、爽やかな苦味が身体に染みます。

 

別の仕事も並行してやっているので数量限定ですが、販売を開始します。

前記事でも書きましたが、コメント欄からかメールを頂けたら調整致します。

 

よろしくお願い致します!

 

信州山菜鍋のサービス開始。

やっと食材の目処も立ったので告知です。

 

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普段は軽井沢の別荘に出張料理をしていますが、そのサービスも難しい状況になってきました。
そこで自宅で簡単調理が出来る旬の山菜を使った「信州山菜鍋」のサービスを来週から開始しようかと思います。

 

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軽井沢の方々で長野に長期滞在されているようでしたら、地産地消料理人としてフレンチに拘らず信州食を召し上がって頂きたいなと思っていました。

出張料理をしていて数々のキッチン設備を見ていますが、揚げ物はあまりしていないなと思います。
鍋向きのアクの無い山菜セットをお渡しすれば、調理も簡単で温かい料理を召し上がって頂けます。

外部との接触も商品をお渡しするだけで殆どありません。

 

長野は縦に長いので、北信、中信、南信で採れる山菜が変わります。
北信からは安曇野の山菜の先生に送って頂き、自分の摘んだ山菜と合わせてご提供。(南信は交渉中)
今ならクレソン、芹、シャク、アマドコロ、コゴミなど。

軽井沢や近隣の直売所もコロナの影響で閉まっており、新鮮な山菜の購入は現地人で無いと難しいと思います。

 

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2週間後にはこの辺りでも花山椒が採れます。


こちらに飲食店休業やホテルの婚礼、宴会キャンセルで行き場の難しい信州産のお肉と特別に取った出汁スープ。

 

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独活などで作った小鉢もプラス。

 

「信州頑張ろう山菜鍋セット」

 

こちらで2名様分1セット10000円(税込み)でサービス予定。

軽井沢のご自宅、別荘への配送込みです。

 

先ずは過去に出張料理を依頼して頂いたお客様から告知、提供させて頂きました。
過去に伺った事があるので、ご自宅(別荘)までお届け致しました。


依頼数から北信の山菜発注、自分が山に入るタイミング、自分の別の仕事の調整を行います。
初めての方もお気楽に連絡を頂けたらと思います。

 

やはりこの時期の山菜の苦味は体に染みます。

地域の資源を使い、キャンセルなどの食材も消費し、慣れない信州の長期滞在で疲れた方々に旬の山菜で栄養補給と一石三鳥のサービスだと思います。

 

ご注文はコメント欄からか、メールを頂けたらと思います。

 

0204monsieur@gmail.com

 

旬の山菜を食べて、元気に難しいこの時期を乗り切りましょう!

よろしくお願い致します‼︎

 

新しいサービス思案中。

時間があるので、いつもはやらない食材も試してみる。

 

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毎年、椎茸は栽培していますが、今年は舞茸と栗茸も。

葉が生茂って日当たりが悪い、畑の端のキノコが出易そうな場所に埋めてみました。

基本的には日光を当てなければ、あとは雨の水分だけで大丈夫みたいです。

 

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こちらは椎茸。

樹に菌を打ってあるので、菌が回る様にしばらく放置します。

菌を打った場所からニョキニョキ出てくるイメージですが、実際は菌が回った場所から出てくるイメージ。

 

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貴陽(スモモ)の花が咲き出したので、即席で林檎箱で花見席を作りました。

来週は暖かいので、こちらで1人花見ワイン会が出来そうです(笑)

 

最近は畑仕事の投稿ばかりですが、本業の出張料理もこなしています。

最近はお客様の別荘で写真を撮るのもどうかと思うので、あまり撮っていません。

 

よく「コロナ疎開もあるから依頼も多くて忙しいでしょ?」と聞かれますが、この時期はFacebookで繋がっているような馴染みのお客様しか行わないので例年通りです。(畑仕事と食材があまり無い事もあります。)

馴染みのお客様のご予約でも「ゲストが東京から出れないので、、。」といったキャンセルは沢山ありますが、、。

 

軽井沢のお客様からは「東京ナンバーで買い物がしづらい。」などのお話を頂きますし、いつまでも通販やテイクアウトでは食事も大変だと思います。

長野県にも緊急事態宣言が出されて不特定なお客様への出張料理は控えようと思っていますが、今週にも新しいサービスを作って提供出来たらと考えております。

 

正直、自分は固定費を抑える事を念頭に仕事をしてきたので、こんな時でもまだ余裕があります。

今のお客様のニーズと自分が出来る事を考えてサービスが提供出来たらと思います。

 

黙々と畑仕事。

天気も良かったのでジャガイモの植え付けを終わらせました。

 

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こちらは軽井沢の出張料理用では無く、ウチで食べる用です。

 

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たくさんに見えますが撒いたのは5kgほど。

家族で食べるには十分な量が収穫出来ます。

 

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出来ていなかった独活の土寄せも。

 

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ついでに仕事に使おうと思って調べた野蒜ですが、ちょっと小さ過ぎますね。

 


仕事で使う玉葱、人参、長葱、ジャガイモなどの一般的な食材は知り合いのプロ農家さんから購入するようにしてます。

よくある「料理も畑もパンも生ハムも全部作る。」みたいな方はやり過ぎな気もします。

大きな会社の部門別なら分かりますが、フランス語でキュイジニエ(料理人)、パティシエ(菓子職人)などの細かな職業名がある職種はそれだけでも極めるのは大変なんだと思います。

農業も同じで、料理人の片手間で育てた食材と土壌成分からしっかり調べて毎日手塩にかけて育てた食材は違うかなと。

お金を支払ってくださるお客様には良い物をお出ししたいですし、そこはやはりプロの食材を使うべきかと。

あまり独りよがりにならないで、色々な職種の方々としっかり協力する事も重要だと思いますし、こうすると地域にお金が落ちる仕組みにも繋がります。

結局、自分の畑で色々やるのも、食材がどのように出来るか自分で作ってみたいから。
他には知り合いが作らない自分が料理で使いたい特別な食材、ハーブ類、食用花は自作で育てます。

今シーズンは新しいビニールハウスも建てて、例年以上に色々な種類を試してみる予定。

そもそもヨーロッパのハーブや花も周りに咲いているから使う訳で、わざわざ遠くから輸送してまで購入するのは地方レストランとしては馬鹿げています。

 

来週には米農家さんの田伏せ作業にワイナリーでも苗木の植え込みが始まる模様。
世の中は自粛モードですが農業は待った無し。
普段の都市部からのボランティアも望めない状況ですから、地域の助け合いも大切かと。
遠出しない範囲で自分に出来る事があればお手伝い出来ればと思います。

 

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例年以上に畑仕事。

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白馬から佐久に帰って、専ら畑仕事をしています。

かなりゆっくりだと思っていましたが、例年は白馬の仕事の終了が3月一杯でそれからなので意外と早く耕し終えました。

 

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ミント畑も増え過ぎるので、範囲を広げないように根切り。

 

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昨年の草むしりした雑草の山からセルフィーユが育っていました。

この時期の畑にはこうしたイタリアンパセリコリアンダーがあります。

冬越ししてしまうと硬いので刻んで使うかこのまま待って花を使うか、零れ種で出たスプライトを採るか。

セルフィーユのスプライトはちょうど良い物を根から抜いて使いますが、前菜などに添えたら格好が良いです。

 

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水を引くU字溝も溜まった枯れ葉などを取り除きました。

 

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昨年の台風で川からの水の取り入れ口が崩壊。

今まで知らなかったのですが、他のところからも引いていたらしく水は流れますが水量も微妙で暑くなったらどうなる事やら。

 

コロナ情勢もなかなか出口が見えず、飲食店は大打撃を受けています。

毎日の暗いニュースの中で自分は何が出来るかをモヤモヤと考える日々。

日本ではまだ自粛ですが、自分はフランスに友人がたくさんいるので出来るだけフランス基準を心掛けています。

こんな状況なので軽井沢の出張料理は需要があるのですが、4月は例年もほぼやっていないので家族の安全を考えて少し控えようかな、と。

「そこまで気にしないでビジネスすれば良かったのに!(笑)」なんて笑われる安心の日が早く来ればとは思います。

おそらく出張料理は食材も充実してくる5月半ばから本格始動します。

 

都市部の買い占めを見ているとあれが食料だったら危ないな、とは漠然と思います。

とりあえず日本人なら米と味噌と漬物があれば何とかなるかと。

こんな年ですからいつも以上に畑仕事に力を入れられたらと思います。

 

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少し早めに白馬シーズン終了。

例年より少し早めに白馬の今シーズンの仕事を終えました。

 

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暖冬からコロナと大変なシーズンでした。
最後は各国が封鎖を始め、お客さんもスタッフも国に帰れないといけないので慌しいお別れとなりました。

コロナの話題が出始めた1月頃は、「日本にいて大丈夫か?」みたいな反応でしたが、3月には逆に白馬に居た方が安全では?と思えるような状況に。

世界各国のスタッフがいたので、色々な話をしながら間近で世界の状況の変化を見れた気がします。

 

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3ヶ月と少しを一緒に過ごしたスタッフです。

無事に国に帰れたみたいですし、あちらで元気に過ごして欲しいと思います。
雪やコロナは残念でしたが、仕事もしっかり出来た素晴らしいチームだったと思いますし、難しいシーズンに頑張ってくれた事に感謝です。

 

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来シーズンはコロナも終息して、雪もたくさん降ってくれたらと願うばかりです。

(明日からは軽井沢シーズンの出張料理用の畑仕事を始めようかと思います。)