フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

第8回ア・ベーでコラボディナー。

パリ時代の友人、阿部シェフと彼のレストラン「àBêe(ア・ベー)」@尾山台でコラボディナーを行いました。(フランス旅行前なので、10月下旬です。)

 

お互いの出身地の食材、ワインを合わせる企画も今回で8回目になります。

 

f:id:monsieur0204:20171119212830j:image

 

f:id:monsieur0204:20171119212854j:image

 

アミューズは信州サーモンのタルタル。

酸味やアクセントにウチの固めのプレジデントを刻んで混ぜています。

香ばしさに蕎麦粉のクレープ。

信州サーモン、フルーツ、蕎麦で信州を演出。

 

f:id:monsieur0204:20171119213313j:image

 

合わせるのに長野のシードルでも良かったのですが、あえての奥出雲のシードル。

あまり知られていないワインもこの会の趣旨でもありますからね。

 

f:id:monsieur0204:20171119212925j:image

 

寒くなってきて葉物も味が乗ってきてますし、フルーツも美味しい。

この時期ならではの「39グイユ」(サクグイユ)

勿論、自分が好きなフランスのレストラン「Bras」のスペシャリテ「ガルグイユ」を自分解釈で佐久の食材で作りました。

 

f:id:monsieur0204:20171119222046j:image

 

軽井沢の「ORTO ASAMA」無農薬野菜にシャインマスカットなどの東御のフルーツ。

 

f:id:monsieur0204:20171119222121j:image

 

佐久穂町の根菜類、生クルミも今だけなので添えました。

佐久の花コスモスも食用花で育てられた物です。

 

f:id:monsieur0204:20171119213344j:image

 

小布施ワイナリーのヴィーニュフランセーズブラン'16。

 

f:id:monsieur0204:20171119223932j:image

 

セパージュはソーヴィニョン・ブラン、アルバリーニョ、シャルドネ

先日、ワイナリー訪問をして試飲をした時に、1番ピンときた1本。

 

f:id:monsieur0204:20171119213056j:image

 

この時期なので天然キノコ。

前週の軽井沢ワイン会ではハナビラタケを添えましたが、今回は手に入りませんでした。。

 

f:id:monsieur0204:20171119213425j:image

 

城戸さんのピノ・グリ'11。

実はこの後の鶏とも合うんですけどね。

城戸、タカヒコ、ファンキーシャトーは告知の段階でお出しする事が決まっていたので、並びなどを考えてキノコ料理に出しました。

 

f:id:monsieur0204:20171119213004j:image

 

境港からマグロとゴボウ、ブロッコリーとビーツ。

 

実はこのお皿が1番揉めました。

境港はマグロの漁獲量日本一だそうです。

あまり知られていないので使おう、という話でしたが、自分的にはマグロは山葵醤油を超えるのは難しいと考えるからです。

台風ばかりでマグロしか無かったのも挑戦のきっかけですが、、。

阿部シェフ担当でしたが、このゴボウがビックリするくらいよく合いました。

初日のビーツはワインの邪魔を少ししたので2日目は外しました。

なかなか毎回試作、試飲を出来るようなワインではないので、初日から合わせるのは難しいですね、、。

 

f:id:monsieur0204:20171119213544j:image

 

ワインは奥出雲ワイナリーの「杜(もり)'16」

 

山葡萄中心のワインですが、この山葡萄の強烈な酸味がまたマグロとゴボウとよい相性でした。

その土地の食材とワインを合わせるというのがやはり基本ですし、日本古来の葡萄品種もこうした料理と合わせる事で魅力を引き出せる事を再認識しました。

 

f:id:monsieur0204:20171119213135j:image

 

信州福味鶏にパストゥーグランのチャツネ、栗カボチャと小布施産和栗。

 

こちらはワインから料理をイメージ。

パストゥーグランに合わせる為にピノ・ノワールとガメイで作ったチャツネを添えました。

 

f:id:monsieur0204:20171119213618j:image

 

貴彦さんのパストゥーグラン'10。

程良い熟成、、。

保存状況の良い所で熟成させると、更に進化を発揮しますね。

体験上、よくある機械のセラーでもこのワインは影響を受ける気がします。(特にピノ・ノワールはそう思います。)

 

f:id:monsieur0204:20171119213206j:image

 

メインは鳥取和牛オレイン55。

オリーブオイルの主成分オレイン含有量が55%以上の脂の質にこだわった和牛です。

落花生と菊芋、立てた生クリームを混ぜた物をクネルで添えて赤ワインソース。

 

f:id:monsieur0204:20171119213700j:image

 

ワインはファンキーシャトーの東山メルロー'11。

適当に熟成したファンキーの赤は抜群に美味しい。

たまたま蔵の奥に2本あったので、今回のコラボでお出ししました。

自分の好みですが、ボルドー系はファンキーシャトーのワインが1番好きです。

 

f:id:monsieur0204:20171119213726j:image

 

阿部シェフが追加融資してくれた北条ワイン、スペシャルセレクション。

VT記載の無いブレンドワインですが、これが適当に熟成していて実にイイ。

日本のワインはフランスの原産地呼称みたいな制度が無いわけですから日本らしい品種のブレンドがあっても良いと思いますし、意外とそんなワインがたくさんあっても面白いと思いました。

 

f:id:monsieur0204:20171119213237j:image

 

デザートは東御産の干し巨峰と黒糖クルミのヌガーグラッセラ・フランスのキャラメリゼに紅玉のピュレ、栗のクランブル。

 

こちらは最近の定番デザートです。

ざんざ亭コラボにはアカシアカスタード、地元の酒イベントには酒粕カスタードにしましたが、ちょうど紅玉が出てきたので紅玉ピュレにしました。

 

f:id:monsieur0204:20171119213753j:image

 

ワインはマンズワインSOLARIS信濃リースリング・クリオ・エクストラクション'14。

 

フランス帰国後からコツコツと購入しては蔵で熟成させたNAGANOワイン(貴彦さんのワインも小布施繋がりで、、。)を出していますが、なかなか城戸さんや貴彦さん、ファンキーさんの熟成ワインは他では無いと思います。
特に貴彦さんのワインは今回の会に限らず「今迄飲んだ貴彦さんのボトルで1番状態が良い」と毎回言われます。
ウチの蔵の保存環境、かなり優秀みたいです。

 

日本ワインはあまり熟成に向かないと思っていましたが、今回の2010〜のVTはまだまだ楽しめそうです。
境港のマグロに小公子などチャレンジもあって、マリアージュの面でも勉強になりました。
やはり基本は土地の食材に土地のワインですね。

まだまだたくさん熟成した日本ワインがあるので、また企画してお出ししようかと思います‼︎

 

(次回からフランス旅行を書いていきたいと思います。)