フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

うんのわワンデイシェフで出張コース。

3月12、13日に東御市の海野宿で週末2日間行われた「うんのわワンデイシェフ」イベント、無事に終わりました。
お越し頂いた皆様、ありがとうございました!

 

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普段は軽井沢の別荘などで料理をしているので、地元のこういう機会は張り切って作ります(笑
コロナでイベントが出来ず、貯まるばかりの日本ワインもかなり気合いを入れて出させて頂きました!

 

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キッチンもコンベクションオーブンやディッシュウォーマーも備えた本格的な物だったので、あまり苦労なく調理する事が出来ました。
出張先だとお皿が冷たいので、温かい料理は少しでも冷め難いように接すようにまとめて盛るようにしていますが、温かいお皿に盛れるだけで何か嬉しい。。

 

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地元の職人の集まり「39BAR(サクバル)」のパンフレットを添えて。

いつもお世話になっている信州サーモンの「八千穂漁業」さんや「ブーランジェリーりあん」さんも記載されています。


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最初は定番の一口アミューズ

タルトレットはブロッコリーと独活です。


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蕗の薹があったのでフリットにしてカリフラワー、青豆と。

青豆は昨年に育てて乾燥、保存しておいた物。

この時期は根菜も芽が出たりと地元食材が無いので、乾燥豆なんかは活躍します。


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いつも前菜は佐久穂町八千穂漁業さんの川魚。

ウクライナの戦争が始まってノルウェーサーモンが入らない。
乱獲で海の魚が高騰している。

日本は水の豊富な国ですから、川の水を用いた養殖はもっと注目して良いかと。
八ヶ岳の雪解け水を豊富に引き入れた八千穂漁業さんの川魚は最高に美味しいです。

この時期は畑にまだハーブや花が無いので、ナズナやハウスで育てたスプライトで。
ちょっと淋しいですね😅

 

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アミューズからの流れでワインは

 

ソーヴィニョン・ブラン '17」(コトーデシェブレット)

 

「サンクセパージュ'20」(小布施ワイナリー)

 

川魚にはソーヴィニョン・ブランが定番ですが、良く使うのが伊澤さんの物。(あとは信州たかやまワイナリー)
小布施ワイナリーに相談に行ってノマンデジを買おうと思いましたが、こちらの方がソーヴィニョンブランのニュアンスが強いという事でサンクセパージュ'20。

どちらもあまり在庫が無いので同時出しで参加の方々の好きに飲んで頂きましたが、抜栓時間や温度で先か後が変わるみたいでした。

後は好みですね。


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この時期のほうれん草は葉をピュレにして、茎と根は塩茹でとしてフラン(洋風茶碗蒸し)に合わせます。
樽香と合わせるのに東御産の胡桃とナッツオイル。
もう少しボリュームを持たせるのに肉の加工品(ハムやソーセージなど)を少し乗せた場合は軽めの赤ワインを合わせています。

 

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今回は肉無しなので合わせたのは

 

「PRピノ・グリ'16」(城戸ワイナリー)

 

この色が凄い(笑
比較的、樽の強めの城戸さんのワインですから、こうした食べ方も合うのではと思います。


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長野の新玉ねぎのシーズンには早いんですけど、自分がいたパリのPassage53で沢山作った思い出の料理なので。
玉ねぎに挟んだのは佐久穂町のきたやつハムさんのパンチェッタ。
10皿構成くらいでしたらこれだけで良いですが、5皿構成くらいだともう少し各皿にボリュームが必要。
下には紅はるかと白いんげん

 

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合わせたワインは

 

「セパージュヨーロピアン'17」(小布施ワイナリー)

 

よく貴彦さんなんかの梅出汁系の香りのするワインが合うんですけどね。
今回は県産ワイン縛りなので、お兄さん(彰彦さん)のワインを。
少し複雑味があっても良いかと、5品種を混ぜたワインにしてみました。


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よく使う飯田産のSPFポーク。

せっかくうんのわさんの施設で立派なオーブンがあったので、いつにも増して丁寧な火入れが出来ました。
出張料理は冷たいお皿に盛ったりするので、温かいパーツを寄せて冷めにくいようにします。
今時の盛り付けでは無いんですけどね😅
自分がブルゴーニュ好きなので、その系統のワインばかりを購入して蔵に入れています。
自分の好きな長野ワインに胡椒のニュアンスが無いので、あまり振りません。
代わりに山葵や柑橘の皮を使ったり。

左下には昨年に仕込んだ千曲市の杏のチャツネ。
右下は山葵サワークリーム

 

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合わせたワインは

 

メルロー プルミエ・フォワ'14」(ファンキーシャトー)

 

ファンキーさんのワインが大好きですが、特に今なら14年産は最高です。
この年は特に良かったので、見つける度に購入して蔵に入れて楽しんでいます。
熟成した長野ワインをお出し出来るのも、自分の良さかと。


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ワイン会のデザートは何が良いか。

自分なんかは冷たいアイスクリームが少し有ればいいです。

東御市は葡萄や胡桃で有名ですから、ドライ巨峰と胡桃でヌガーグラッセ(メレンゲアイス)
下にはその時期の長野のフルーツのコンポートで今ならイチゴ。
ウチの果樹園のフルーツが出始めたらそちらを。
ハーブは畑のレモンバーベナやレモンタイム、ミントなど。今は無いので昨年のドライハーブ。

 

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合わせたのは

 

「プティマンサン モワルー'17」(小布施ワイナリー)

 

小布施ワイナリーさんの甘口プティマンサン。
特に'17は凄い出来で、沢山購入して蔵で熟成中。
甘過ぎるとワイン会後にはしんどいので、デザートの含めてこの位の味のバランスがスッキリして良いかと。


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今回は8〜10名様を想定していましたが、沢山の方々からご予約の問い合わせを頂きました。

席はあるので、1本のワインを分けられる限界で11名様での開催でした。

足らない分は施設にあったセラーに詰めておいた追加オーダー用のワインから。

 

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今回は県産ワイン限定にしていたのでコースには組みませんでしたが、貴彦さんは人気でした。

他には城戸ワイナリーやメルシャンの椀子シラーのバックヴィンテージなどを準備していました。

 

告知や取材の面で少し失敗した面もあるかなと思いますが、また次回があれば活かそうかと思います。
(沢山のご予約を頂いたのですが、同じワインが何本もありませんでした。😅)

 

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これからもっと地産地消の料理に地元ワインを楽しめる場を作っていきたいですね!

 

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