小諸市のイベントで講演。
先週末は小諸市で開かれた第1回「KOMORO WINE DAY」に参加させて頂きました。
第1部はデザインワークセミナーで「長野食材とNAGANO WINEで地域を繋ぐ」というテーマで日本ワインジャーナリストの鹿取さんと対談、講演させて頂きました。
NAGANO WINEブランドデザインワークセミナーは信州大学が経産省から受託している地域中核企業創出、支援事業として、千曲川ワイン倶楽部との連携のもと推進中のプロジェクトです。
他の講演者の方々に比べて自分の時間がかなり長かったので、普段人前で話す事に慣れていないので鹿取さんと対談形式にして頂きました。
自分の自己紹介から始まり、これまでやってきた活動内容など。
それから元々が佐久出身ですから、東京、フランスを経由して長野に戻って感じる地元のポテンシャルと東御、小諸を含めた千曲川流域のワイン産業の現在地も踏まえてお話させて頂きました。
食材単体でもアピールは弱いですし、ワインは食中酒ですから食事が必要。
こうした環境でそれぞれを繋いでシェフが出来る仕事は多いのではないかと考えています。
自分はパリに居た時に時間があればブルゴーニュに行っていましたから、その距離感(東京から新幹線1時間。鈍行、車で3時間はパリからブルゴーニュの距離感と同じ)と気候(佐久市はブルゴーニュ県のアヴァロン市と姉妹都市ですが、その要因に気候が似ている事が挙げられています。)を考えたらこの地域を「日本のブルゴーニュ」にする事も可能だと思っています。
(葡萄がシャルドネ、ピノ・ノワールという意味で無く、ワイン産地として日本のブルゴーニュという意)
長々とあまり知られていないシェフの話を聞いて頂き、参加者の皆様には本当に感謝です。
ありがとうございました。
講演後は直ぐに会場の見晴らし館に移動して、第2部の懇親会の立食準備をしていきました。
ワインは小諸「小宮山酒店」シニアソムリエ岩下さんセレクトの小諸ワインを楽しんで頂きました。
講演後に2部参加者の方々がワイナリーツアーをされている間に冷菜8品を先ず準備。
全て地元食材を使用した一品です。
日程的には厳しかったのですが、いつも寺イベントで会場の設営をしてくださる大崎さんがテーブル設営、調理ヘルプに入ってくださりました。
更に小諸でワイン葡萄栽培をされている岡本さんが会場の周りの草花で綺麗にテーブル上を飾ってくださりました。
鶏肉はミンチ、胡桃、山椒を刻んで混ぜて、火入れをしておきました。
温め直して切り出したら完成。
とにかく懇親会の時間が短かったのと、電車の時間があって終わりの時間を延長出来ないので早く出せる料理を心掛けました。
牛肉はこれから新しくブランドにしていく地元の「白樺若牛」にしました。
消費者の赤身志向が増してきているので、アンガス牛と和牛の良いところ取りの新品種です。
自分は出張料理ではあまり真空パックの低温調理はしないのですが、今回は人数が多いのと進行が早いので真空調理にしました。
機械任せですけど、これで火入れの間違いはありません。
最後にしっかり焼き付けて、良い塩とソースとハシバミオイルを香り付けに少し回しかけました。
デザートは旬の地元の黄金桃を畑のハーブと一緒にコンポートにしました。
今回のようなパーティー料理でも出来るだけ新鮮な物を、冷たい料理は冷たく、温かい料理は温かくお出しするように心掛けました。
2部参加のお客様にも好評で良かったです。
自分がフランスから帰国した7年前は色々な同業者から「長野のワインは値段が高い、美味しくない、それでは商売にならない。」色々言われたのですが、この数年で様相は急激に変わりました。
新しいワイナリーも次々と増えて、優れたワインがたくさん出てきています。
県、東信地域もワインのブランディングに乗り出していますし、これからこの地域が面白くなっていくのは間違い無いと思っています。
これからも地域密着で地域のワインに寄り添える料理が作れるように、自分ももっと活動していけたらと思います!
今年も城戸さんのワイン確保。
今年の城戸ワイナリーのワインを各所で頂いてきました。
本当にいつもありがとうございます!
夏の繁忙期とリリース時期が被るので、なかなか大変なんです、、。
フランスから帰国したばかりではそれ程購入するのに苦労は無かったのですが、今では日本ワインの中では1番くらいの争奪戦ですからね。
長野の料理人としては手元に置いておきたいNAGANO WINEではありますが、毎年確保に苦労しています、、。
ちなみに10月には城戸さんがモデルの映画も公開されます。
浅井宇助氏に魅せられた3人の日本ワイン生産者(ウスケボーイズ)の物語。
1人は城戸さんです。(あとは山梨「ボーペイサージュの岡本さんと長野「小布施ワイナリー」の曽我さんです。)
公開後は益々手に入り難くなるんでしょうね、、。
入手出来なくて困っているんですけど、長野にワイナリーが増えると同時にこうしたスター生産者が出て来る事は地域のワイン産業発展には必要かと自分は思っています。
手に入り難くはなりますが、こうした貴重なワインをしっかり分けて頂ける料理人にならないといけませんね。
今年のワインも蔵で少し落ち着かせて、イベントなどで開けようかと思います。
(貴重なファンキーシャトーのピノ甘口も購入出来ましたw)
フランスぶりに瀬戸物談義。
数年前にパリの日本人宿で偶然一緒になった陶芸家の樽田さんが軽井沢で出品されているという事で、追分のギャラリー「Granne Hantverk」に行ってきました。
自分は毎年フランスに行っているのですが、その時のパリの日本人宿でヨーロッパの陶磁器を勉強中の樽田さんに会いました。
自分も料理人ですから、色々な陶芸を学ぶ樽田さんに興味津々でお話させて頂きました。
世の中便利なもので、1度FBで繋がれば動向が分かります。
今回、軽井沢出品と彼がFBで告知されたので、連絡して会いに行ってきました。
実は彼の作品を見るのはこれが初めて。
茶器は切り込みの入った光を通す物で、外で陽に当てるとその様子が素敵に見てとれました。
しかし、中軽井沢にこんな素敵な北欧系のギャラリーがある事を知りませんでした。
いつも使う佐久から軽井沢の抜け道の信号、逆に曲がって踏み切りを渡ってすぐ左手にあります。
交通量の多い道から踏み切りを渡るだけで綺麗な景色が拡がりますね。
彼の現在の拠点は愛知県瀬戸市で、常設の展示は同じ瀬戸市のギャラリー&カフェ「かわらばん屋」だそうです。
http://setomachi.com/kawarabanya/
9月のせともの祭にも出品予定だそうなので、お近くの方は是非。
フランスぶりに会ったので、この後は御代田、小諸の界隈を案内して回りました。
久しぶりで話も凄く盛り上がりました。
料理を盛るお皿にも挑戦したいという事で、これからの彼の作品が楽しみです‼︎
貴陽が大豊作。
ウチの貴陽、大豊作!
祖父の代から植えてあったウチの果樹園の高級プラム「貴陽」が今年は大豊作です。
酷暑、雨が降らなくてダメな食物もあれば良い食物もある訳ですから自然はよく出来ていますね。
貴陽は山梨発祥で、太陽(スモモの品種)の花粉親不明の交雑実生から選抜した新品種で登録は1996年です。
本来は山梨が有名ですが暑い山梨とは出荷時期がウチとかなりズレますし、栽培が難しい果実なので信州ではあまり見かけないと思います。
こんな豊作で手が回らない時にこの2週間の出張料理がキャンセルになったので、何ともよく出来たものかと自分でも思います。
いつも何か自分にとってマイナスな事が起きた時はプラスに変わる他の事をやるチャンスと捉えます。
今年は実家の夏の家業を覚えるチャンス。
別件の仕事の打ち合わせをこなしながら、自分も今年は収穫、出荷に大忙しでした。
これは大きい物(250g〜)で6個入りです。
大きい物は300gを超えるので、サイズ的には一般的な桃と変わらないかもしれないです。
贈呈用は既に出荷し終えたので、あとは少し熟し気味の物を早めに召し上がって頂くように直売所に出して終わりでしょうか。
佐久ではヘルシーテラスと田口の五稜の里に出しています。
こんなに出る事が無いので、今年はたくさん貴陽の高級果実酒を仕込んでおこう(笑
(まだ外で仕事をするには暑い日が続きます、、。)
柏屋旅館で飲食営業許可を取得。
柏屋旅館、飲食営業許可取得!
2年前に廃館した柏屋旅館ですが、建築士の柳澤さんが今年にシェアハウス、ゲストハウスとして再スタート。
自分は再スタートの改装のお手伝いはしていないのですが、今回は自分が食品衛生責任者になって厨房の保健所許可を取り直し、飲食営業も出来るようになりました。
元は宴会場の大広間もあります。
これから柳澤さんと各種イベントなどを企画したり、色々な飲食の要望にも応えていけたらと思います。
一般的な料理人の夢が「自分の店を持つ」だと思うのですが、自分は「年1回はバカンスを取ってフランスに行く」が目標なので、その手段が店を持つなら持ちますし、今はお金がかかり過ぎるのであまり必要無いかと。
人口の多い都市部の独立なら分かりますが、佐久のような人口10万都市で自分のお店(フレンチ)を借金してまで出すのはあまり良い方法とは思えません。
バカンスから逆算して仕事を決めていたら、飲食で利益が見込める夏と冬は信州が誇るリゾート(軽井沢、白馬)で調理、集客が見込めない合間に畑仕事と綺麗に1年間のサイクルが回り出しました。
それでも安定した調理の仕事をするのに居抜き、空き家や古民家を継続して探していましたが、条件に見合う物件がありませんでした。
バカンスで長期で休むには固定費(家賃、人件費)を抑える必要があると思いますが、今回の柏屋旅館の厨房使用で家賃や人件費を大幅に抑えられます。
こちらで料理をお出ししてそのままお客様も旅館で素泊まり出来るので、考え方によっては格安のオーベルジュと変わらないかと。
地元の方でも、代行で帰るよりは場合によっては素泊まりの方が安いと思います。
この夏は間に合いませんでしたがHPも作成して、軽井沢や地元佐久、中部横断道路が開通してより近くなった茅野の別荘地まで活動を拡げられたらと思います。
毎日、厨房に立っての積み重ねで生まれるスペシャリテもあれば、自分の時間をしっかり確保して山に川に自ら行った経験の積み重ねで生まれるスペシャリテもあると思います。
今は人生80年時代ですから、あと40年かけて自分の「佐久のスペシャリテ」が作れたらと思います。
また一つ地元で活動する基盤が出来ました。
更に地元密着で地域に必要とされる料理人になれるように、活動していけたらと思います!
デザインワークセミナーで講演。
9月2日にデザインワークセミナーでお話をさせて頂きます。
フランスから帰国後、信州の食材とワインに拘りを持ちながら料理をしてきました。
こうした背景から、今回は日本ワインジャーナリスト鹿取みゆきさんにお声掛け頂きました。
人前で話すのは苦手なのですが、東京、フランス、長野で働いてきて自分の思うところをお話出来たらと思います。
第2部では地元食材で小諸ワインと合わせて料理を作らせて頂きます。
いつもあまり作らないブッフェ形式になると思いますし、講演後に場所を移して作らなければならないのでメニューや段取りも含めてよく考えたいと思います。
この週末は1日に東御ワインフェスタもありますし、この辺りは地域のワインで盛り上がりそうですね。
第1部は入場無料ですし、奮ってご参加して頂けたらと思います!
シャンパン女子会の出張料理。
先日は軽井沢の別荘シャンパン女子会の出張料理に行ってきました。
真ん中のブロッコリーのピュレとライムジュレは事前に盛り込んで冷蔵庫でしっかり冷やしておきました。
1人で盛り込みやお皿の出し下げをやるので、このくらいの数になるとかなり段取りやメニューに気を遣います。
木のスプーンには「八千穂漁業」の山女魚に胡瓜や茗荷、赤玉葱を混ぜたお米のサラダ。
長和町「Mason du Jambon de Himeki」のソーシソン。
春日「Bosqueso」フロマージュと東御市のゴールデンフィンガー(葡萄)
奥は夏野菜のコンディモン、山葵サワークリーム。
初めてのお客様には必ず前菜は「八千穂漁業」の川魚をお出しします。
今回は大岩魚です。
右には季節の野菜(シマ瓜、素麺カボチャ、トマトなど)
畑に茗荷の花が咲いていたので添えました。
繊細で強度がないので摘んで1日しか保ちませんが味わいはしっかり茗荷です。
他には花キュウリ。
これが欲しくて胡瓜を育てているようなものですね。
この季節はトウモロコシは欠かせません。
特に鮮度が大切な食材ですから、そのクオリティを遠い都市部と差別化し易いです。
品種はゴールドラッシュで甘みが強過ぎるので、赤パプリカのジュースで炊いたポレンタにバスクの唐辛子ピモン・デ・スプレッドを混ぜた物を焼いて添えました。
少しだけ落花生オイルを。
メインは最近お気に入りの黒姫地鶏をローストしました。
腿はミンチ、山椒、胡桃を混ぜた物を巻いたバロティーヌにしました。
今回は人数が多くて付け合わせまで拘って盛っていると肉が冷めるので、ジャガイモだけ付けて他は別添えで。
野菜は佐久穂「GoldenGreen」在賀さんの人参など。
畑に行って丁度良いサイズを頂いてきました。
限られたスペースで温かくメイン料理を出すのは、かなり気を遣いますね。
デザートは滝の沢ゴールド(桃)を畑のハーブ(ミント、レモンバーベナ、レモングラス、レモンタイム)でコンポートに。
コンポート液はジュレ。
柔らかく炊けた桃はヨーグルトと合わせてソースにしました。
アクセントでオカラで作ったクランブル。
飾りの食用花は地元の「Suki FlowerFarm」鈴木さんのダリア。
花びらの強度もあるのでダリアは出張料理で使い易いです。
手前はサービスで頂いたヒマワリ。
中部横断道路が佐久南から八千穂まで開通したので、この界隈の買い出しは格段に効率が上がりました。
自分的にはこのまま開通しないで無料区間の方が助かるんですけどね(笑
この時期は何処の生産者に行っても夏野菜が豊富ですし、自分の畑に行けば色々なハーブもあれば花も咲いています。
食材が沢山あって、採ったり摘んだりするのが楽しい季節です。
今回は特にミョウガの花が好評だったので、写真を上げておきます。
いつもパンを頼んでいる佐久のブーランジェリー「りあん」平川さんがシャンパン会という事で気を利かせてシャンパーニュの粉でバケットを焼いてくださいました。こちらも凄く好評でした。
この時期はとにかく必要以上に手を加えずに、良い物を良い状態でお出しすれば軽井沢では問題無い季節です。
逆に料理人が手を加え過ぎるとフレッシュ感が無くなり、東京でも食べれるような料理になります。
フレッシュ感を大切にする分、食材調達や仕込みはギリギリ間に合う時間でやるのでバタバタですが、今回も喜んで頂けて良かったと思います‼︎