フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

プリマヴェーラの改築レセプションパーティーに参加。

元スタッフとして招待されまして軽井沢「Auberge de Primavera(オーベルジュ・ド・プリマヴェーラ)」の改築レセプションパーティーに行ってきました。

 

新しく出来た建物の2階には素敵なスペースがありました。

 

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軽井沢の中でもなかなか無い本格的なフランスの雰囲気です。

 

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2階に登る階段上のシャンデリアも素敵です。

 

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トイレに伸びる通路もトイレ内もかなりの拘りです。

 

1階の大部分は広くて機能的になったキッチンです。

新しく出来た建物や広くて立派なキッチンを見学させて頂いて、元スタッフの懐かしい顔ぶれと楽しい時間を過ごさせて頂きました。

 

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フランスから本帰国して独立の準備に先ずは地元のレストランで勉強しようと働いたのがプリマヴェーラでした。
GW明けから働きましたが、沢山の社員がいる割には畑仕事や皆でスポーツをしたりと何処かのんびり。
ところがいざシーズンが始まるとガムシャラになって働きました。
ここでは軽井沢の1年間の極端なお客さんの流れを学びましたし、お客さんの来ない時期の過ごし方も学べました。
小沼シェフは今でも年1度はフランスのオーベルジュを視察に出掛けられますし、自分の理想がしっかりイメージ出来ているからこうしたフランスのようなオーべルジュを形に出来るのだと思います。
シェフにご挨拶に行った時には今でも「あれがやりたい、これもやりたい」と話してくれます。

今、自分が自由な働き方をしているのも、短い期間でしたがここで働けたおかげだと思っています。
50歳を過ぎてもあのように自分がやりたい事(格好良く言えば夢でしょうか。)を語れて輝いていられるように、自分も地元で頑張ろうかと思います。

 

これからここから素敵な時間が流れると思うと、凄く楽しみですね。

自分も機会があれば、今度はお客の立場で伺おうかと思います。

 

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田伏作業のお手伝い。

毎年恒例、地元の米農家さんの伏せ込みの手伝いに行ってきました。

 

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佐久の米処、浅間山を望む浅科地区で朝から作業です。

 

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今年の米作りの第一歩、稲の育苗トレイを田んぼに並べていきました。

 

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先ずは種を蒔いた育苗トレイを軽トラックに積んで、水を張った田んぼに運びます。

 

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田んぼにレールを組んで、流しながら綺麗に並べていきます。

流れてくる育苗トレイを渡されて田んぼに並べるポジションが腰の負担も大きく、泥の中で動くので1番しんどいポジションですが、年齢の比較的若い自分が積極的にやっていきます。

 

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レールの両サイドを並べ終わったら、外して次の場所にまた組んでいきます。

 

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組んだ列に骨組みを組んでビニールを被せていきます。

 

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今年は天気にも恵まれて、風もあまり吹かなかったので昼過ぎには作業は滞り無く終わりました。

 

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重労働ではありましたが、地元の方々と楽しく作業をしてきました。

東京や他方からもたくさんのお手伝いの方が来るので、ちょっとした出会いのイベントにもなってますね。
いつもお世話になっている地元のチーズ工房「Bosqueso(ボスケソ)」是本さんに初めてお会いしたのもこちらでした。

独立前の是本さんとたくさんお話ししました。


作業後は皆んなで米農家さんの納屋で少し遅めのお昼ご飯です。

米農家さんのオニギリが凄く美味しくて、豚汁、唐揚げ、コロッケもあるから止まらない。

労働後のオニギリ最高です。。

 

鈍った体を酷使したので翌日は毎回筋肉痛なのですが、良い運動になりましたし地元交流にも繋がるので田植えも日程が合えば参加しようかと思います。

 

 

春リリースの日本ワインを回収。

先日リリースの貴彦さんのワインを回収してきました。

 

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しかし2〜3年前とは比べ物にならない位、購入出来ませんね、、。
気合いの入った人は仕事終わりに新幹線に飛び乗って、長野駅からレンタカーを借りて早朝待ちだったらしいです。
既に城戸さんのPRシリーズと同じ熱ですね。

今回入荷のワインは大切に最低1年は寝かせようかと思います。

 

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むしろ1週間後にリリースされた今回の小布施ワイナリーのワインは面白いラインナップで、特に10年熟成のスパークリングはそう思いました。

 

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貴彦さんの独立前の余市のツバイを混ぜた最初で最期のリリースワイン。
本数もまだあるので、揃え易いと思います。

 

他にもたくさんリリースされたので、来週辺りに小布施ワイナリーに試飲に行ってきたいと思います。

 

aeg(エッグ)で食事。

仕事の打ち合わせでしばらく東京に行っていました。東京滞在の食事は白金台「aeg(エッグ)」に行ってきました。

 

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自分はフランス修業時代に働いた「Passage53」の料理が好きで、そのテクニックをベースに長野の食材を活かした料理を目指していました。

バカンスで食事に行ったライヨール「Bras」の土地の食材を活かした、その地でしか食べれない唯一無二の料理も活かしたいです。

更にもう少し自分の料理に違う要素を加えるのに、色々な料理が長野にシンクロする北欧料理はイイなと以前から思っていました。

 

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aegはコペンハーゲン「Geranium(ゲラニウム)」で勉強された辻村さんがシェフで、カウンターでお話をしながら食事が出来るのでお願いしました。

 

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北欧料理で自分がイメージする「発酵」や「乾燥」などを巧みに使った料理はとても参考になりました。

 

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今回、ペアリングとしてワインと一緒に日本酒も出して頂いたのですが、こちらがバッチリでした。

純米大吟醸のような綺麗過ぎるお酒よりは、こうしたお酒がよりハマりますね。

地元の佐久は13の蔵がある酒処です。

しかも4つの異なる水源があるので、地元の13蔵だけで多彩な日本酒の楽しみ方が出来ると思います。

 

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やはり色々な点で長野で作る料理に応用出来ますし、美味しい食事で良い勉強になりました。

 

辻村さん、ご馳走様でした!

 

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アズッカエアズッコを訪問。

滋賀の帰りに豊田市のワイナリー「Azucca e Azucco(アズッカ エ アズッコ)」須崎さんの畑見学に行ってきました。

 

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あまり長野に関わりの無い日本ワインは扱わないのですが、奥様が東御市御出身という事で急に親近感が湧きました。

これまでは人気で手に入らなかったのですが、入荷ルートも地元に出来たので是非造り手の方に会ってみたいと思って行ってきました。

メールで見学したい旨を送ったのですが、最初は全く返事がありませんでした。(これは他の家族経営の方々でも有りがちな事で気にしません。)

諦めかけた時に返信があり、見学可能という事でナビを頼りながら行ってきました。

何年か前にアズッカさんの記事を初めてみた時は「車の街トヨタでワイナリー⁇」と思いましたが、行ってみないと分からないものです。
そこには素敵な葡萄畑が拡がっていました。

 

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かなり傾斜の厳しい土地にイタリア系などの葡萄の樹が植えられていました。

豊田の山奥でお一人で開墾した?とも思いましたが、元々は牧場だったそうです。

 

自分が扱いたいワインは可能な限り、その生産者に会いに行ってお話を聞くようにしています。

実際に畑でお話をさせて頂きましたが、須崎さんのお人柄も素晴らしかったです。

 

陽が落ちる頃に到着してお話を聞かせて頂き自分達は長野に帰るのでお別れしたのですが、その後も黙々と作業を進められていました。

 

そんな須崎さんの造るワイン、これからとても楽しみですし、東京などでやるイベントにも使いながら発信していけたらと思います!

 

摘草料理かたつむりで食事。

滋賀「徳山鮓」の帰りに岐阜「摘草料理 かたつむり」に寄ってきました。

 

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岐阜のインターで降りて、町から離れた山里にありました。

 

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着いたテーブルには天然のアミカサダケが山のように積まれていました。

フランスでは「モリーユ」と言いますが、この時期の高級キノコですが、日本でこれほど採るのも大変だと思います。

これはこれから始まる料理の期待感が増しますね。

 

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先付はムカゴ、鹿の膵臓、タニシなどの盛り合わせ。

鹿の膵臓などは珍味的な味わいなので、お酒が欲しいです、、。(車で断念。)

 

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焼き魚の後は先ほどのアミガサダケに香茸のリゾットを詰めた新玉ねぎ。

香茸のリゾットが絶品です。

 

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こちらは野蒜、アザミ、ヨモギ、蕗の薹などの天ぷら盛り合わせ。

 

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春の山菜に天然キノコの鍋にジビエシャブシャブです。

 

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メニューは鹿、猪、熊、その他、とありましたがその他を選びました。

その中から特別に少しずつハクビシン穴熊、アライグマなどを出して頂きました。

 

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ハクビシンは初めて食べましたが、意外な程に美味しかったです。

ハクビシンは東京でも見かけるそうですが、やはり食べている物でしょうか?

 

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大量のクレソンと芹も鍋で頂きました。

近くに幾らでも採れる場所があるんでしょうね。

 

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締めはその鍋で雑炊です。

キノコの出汁が効いて、これまた美味いです。

 

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山の食材も色々と教えて頂きました。

例えばこちらは日本一小さな梨で岩梨と言うそうです。

 

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漬けている物を頂きましたが、小さいけどしっかり食感は梨で味わいも面白い。

 

地方レストランで働く料理人として凄く勉強になりました。

自分も地元の土地の食材の事をもっと勉強しないといけませんし、この位に突き抜けないといけませんね、、。

 

こうした知識が魅力的な料理を生むと思うので、自分も更に地元食材の知識を深めたいと思います!

 

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久しぶりに徳山鮓。

仕事の打ち合わせと勉強の為に、久しぶりに余呉の名宿「徳山鮓」に行ってきました。

 

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余呉湖の鰻やスッポンをはじめ、伝統の鯖の熟鮓に鮒鮓、山から採れるジビエまで、この土地の地産地消を味わえます。

今年初めの情熱大陸で放送されてから、予約もかなり取れないみたいですね。

 

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小さな露天風呂で他の宿泊客の皆様に迷惑をかけるといけないので、この日は近くの日帰り温泉で済ませました。

食事前の夕日が落ちる余呉湖も綺麗です。

 

お料理は一部だけ書いていきます。

 

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伝統の鯖の熟鮓です。

 

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こちらは熊肉のしゃぶしゃぶです。

脂がとても綺麗です。

 

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自分は熊肉を初めて2年前に此処で食べて衝撃を受けました。

まだ臭いというイメージが強いと思うのですが、全くそんな事も無く凄く美味しいです。

 

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こちらが鮒鮓。

初めて食べた時には塩漬けの生魚が発酵の力でこんな味わいになるのかと驚きました。

その味わいはまるでチーズでしたね。

 

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熊鍋の残りは雑炊になります。

 

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これがまた美味しいんです、、。

 

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打ち合わせも長引いたので、ジビエのサラミなどを摘みながら。

お皿は富山のShimoo Designの長皿ですね。

 

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朝も余呉湖を眺めながら。

 

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素朴ですけど、今の日本ではこうしたお料理が本当に贅沢ですよね、、。

 

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稚鮎の鍋は少し土佐酢を加えて。(入れなくても問題ありませんが、、。)

普段の朝食は和食が苦手でフランス式のパン1枚にカフェで済ませるのですが、この日は美味しくて2杯も朝から食べてしまいました。

 

正直、立地は良いとは言えないけれど、遠方からたくさんのお客様が訪れるのも分かります。

素朴ですけど、日本の贅沢というものを満喫出来ます。

こうした地産地消もこのくらいに突き抜ける、洗練されないといけませんね。

毎回、本当に良い勉強になります。

 

まだ鰻を食べていないので、あの長皿に並べた天然鰻を食べにまた伺いたいと思います。