フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

軽井沢で古酒ワイン会。

白馬のホテルレストランがシーズン終了と共にクローズになったので、先週末は一度佐久に戻って軽井沢で出張料理に行ってきました。

 

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この日はゲストも豪華だったので、飲み物を担当された方も凄く豪華な古酒を持ち込まれました。

 

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メインのワインはVega Sicilia"Unico"'22

1922年なので戦前のワインです。。

自分も頂いたのですが、まだまだ元気ですね。

あと10年は寝かせられそうでした。

以前にラトゥール'18も飲んだ事があるのですが、グラスに注いだ瞬間は良かったのですが、5分後にはビネガーになっていました。

勿論、ボトル差もあるでしょうが、スペインワインのポテンシャルの高さに驚きました。

 

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こちらも初めてだったので飲んでみたかったBaroletのMorey-St-Denis'69

まさかバロレコレクションなんて飲めるとは思いませんでした。

飲んだ事の無いワインばかりで大変勉強になりました。

 

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アラン・ロベールのマグナムから始まり、ラヴノーやシャトーグリエ'80まで。

 

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赤もシャトー・ラフィット'90があるのに、このラインナップだと霞んでしまいます、、。

 

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食後のフロマージュに合わせたVouvray'59も素晴らしい。

ヴーヴレイのドゥミセック古酒を合わせるやり方もあるのかと勉強になりました。

 

料理は全部で5品+フロマージュを作りました。

 

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白馬からの強行で仕込みだったので、こちらは白馬のホテルで出しているパテの改良版です。

温かいパテでしょうか。

そちらを一口サイズにしてあります。

隣は信州サーモンのタルタル。

ケッパーの代わりにキブシの塩漬けを戻して叩いて加えました。

地元の木の実の塩漬けは食材の足らないこの時期に重宝します。

 

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地元、佐久穂町八千穂漁業さんから仕入れた大王岩魚をマリネにしてお出ししました。

柑橘でマリネしてアーモンドオイルで風味付けをしています。

今回のシャンパン、ワインが古い物が多いので、ナッツ系の香りは合うかな、と考えました。

まだ日本未入荷のこのナッツオイルは香りが素晴らしいんです。

 

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地元の生ハムを挟んだ玉ねぎのキャラメリゼです。

自分がパリ時代に働いていたPassage53のスペシャリテ

玉ねぎの甘みと生ハムの塩味、キャラメリゼした香ばしさが古い赤ワインとよく合うんです。

バロレ辺りにはよく合ったと思います。

 

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こちらは定番になりつつあるSPFポークと山葵サワークリーム。

 

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塊で焼いて切った瞬間の断面が好きです。

最後にフランスから購入した塩を一振り。

胡椒は邪魔になるので振りません。

癖の無い滑らかなワインには料理も尖らない方が良いと考えています。

その点ではSPFポークは癖が無くて、こうしたワイン会にはピッタリです。

付け合わせは白土馬鈴薯にプチヴェール。

 

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メインは県産の鹿です。

 

意外だったのが、今回の参加者で鹿を食べるのが初めてという方が多かった事です。

牛肉だとツマラナイので鹿にしたのですが、これは正解でしたね。

古典だとポワヴラードソース(胡椒を効かせたソース)を合わせますが、今回のワインにはNGです。

枯れたニュアンスを付けるのに干し柿のブランデー漬けを添え、そのブランデーを詰めてソースに加えました。

付け合わせは甘みの増した雪下人参のピュレです。

こちらの料理が1番評判が良かったです。

 

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食後酒も完全におかしな事になっています。

今回の飲料担当者に脱帽です。

 

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こんな素晴らしい食後酒を嗜みながらのプロの方が弾くピアノ演奏も素晴らしかった、、。

 

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ゲストがお帰りになった後はホストの方々と部活の合宿のノリでルーミエ。

こちらは大成功だった会のお疲れワインでホストの方から頂きました。

 

白馬から帰って買い出しや仕込みにバタバタでしたが、とても贅沢をさせて頂きました。

本当に素晴らしいワインを試飲させて頂き感謝です。


軽井沢の仕事も無事に終わったので、白馬に戻って最後の大掃除と戸締りをしてきたいと思います!

 

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