フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

軽井沢でクロパラ水平、垂直ワイン会。

白馬は1日だけお休みを頂いて、恒例のDVD軽井沢ワイン会の出張料理に行ってきました。
今年最初のテーマは「Cros Parantouxの水平・垂直」でした。

 

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ラインナップは、
Jacques Selosse Substance NV (deg. Mar. 2006)
Jacques Selosse Mesnil-sur-Oger les Carelles NV (deg. Apr. 2011)
Henri Jayer Vosne Romanee 1er Cru Cros Parantoux 1980
Henri Jayer Vosne Romanee 1er Cru Cros Parantoux 1999
Emmanuel Rouget Vosne Romanee 1er Cru Cros Parantoux 1989
Emmanuel Rouget Vosne Romanee 1er Cru Cros Parantoux 1998
Emmanuel Rouget Vosne Romanee 1er Cru Cros Parantoux 1999
Meo-Camuzet Vosne Romanee 1er Cru Cros Parantoux 1989
Meo-Camuzet Vosne Romanee 1er Cru Cros Parantoux 1995
Meo-Camuset Vosne Romanee 1er Cru Cros Parantoux 1999

 

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目玉は勿論、ジャイエのクロパラ'99、'80です。

一体、幾らするのでしょうか、、。

 

料理は5品作りました。

 

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自家製鴨の生ハムと東御産イチゴ、中野産紅玉の塩タタン、春日「Bosqueso」フレッシュチーズとホエーソース

 

いつもはワインの相性関係無く、アミューズ辺りで信州の川魚(信州サーモン、岩魚、山女魚など)を使用しますが、今回は赤のみで凄いラインナップだったので最初から肉系にしました。

自家製の鴨の生ハムをスライスして、一つには東御市のイチゴ(東御、小諸界隈はイチゴの産地で有名です。)、もう一つには中野市で購入して秋に仕込んでおいた紅玉の塩タタンを添えました。

生ハムとフルーツだけでは味が淡白なので、先日地元にオープンしたチーズ工房「Bosqueso」のフレッシュチーズとホエーソースを添えました。

 

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フレッシュチーズやリコッタ、色々あったので、工房でどのチーズが合いそうか試食をしながら考えました。

 

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春日「Bosqueso」カチョカバロ焼き、佐久穂「GoldenGreen」ほうれん草のクーリ、ウワミズザクラ、胡桃オイル

 

前菜も同じ考えで「Bosqueso」のカチョカバロを焼いてみました。

添えたトーストは地元のブーランジェリー「Lien(リアン)」平川さんに特注で作って頂きました。

 

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平川さんに特注で焼いて頂いたバケットを凍らせてスライス。

少し反らせて焼いてみました。

 

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緑は佐久穂「GoldenGreen」在賀さんのほうれん草を牛乳とバターで回してピュレを作りました。

柔らかい葉は生でサラダ仕立てにして添えてあります。

アクセントには赤玉葱のピクルス(かなり味わいは抑えてあります。)にウワミズザクラの塩漬けを添えました。

 

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蕎麦バターを詰めた東御産菊芋のコロッケ、クロカワ、アミタケ、ハトムギ、天然キノコの泡

 

今回のワインのラインナップに出す料理を考え始めた時に、ブルゴーニュの友人に相談しました。

そこで昔、クロ・パラントゥの畑はトピナンブール(菊芋)の畑だった事が分かったので、菊芋で1品作りました。

 

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中には先日のフランス旅行で購入したボルディエの蕎麦風味のバターを忍ばせました。

 

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左からアミタケ、クロカワ、香茸です。

つけ合わせはこの乾燥キノコ(クロカワ、アミタケ)にハトムギ

秋に仕込んでおいた天然キノコのコンソメを詰めてカプチーノ仕立てにしました。

ストーリーがあって、良いお皿になりました。

 

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妙高地鶏のロティ、東御産白土馬鈴薯のピュレと卵、香茸ソース

 

こちらはパリ時代に働いていた「Passage53」でブルゴーニュに合わせる鶏、じゃがいも、卵、キノコの鉄板組み合わせを少しアレンジしました。

 

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いつもなら信州黄金シャモを使用するのですが、今回は入荷が無いという事で妙高地鶏を使用しました。

結果は上々で、身が厚くて味わいも良いこちらの鶏は凄く好評でした。

 

ソースにはパリ時代はトリュフを入れたりもしましたが、こちらは信州なので香茸を入れました。

これがまた良かったみたいです。

 

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仔猪のロティ、佐久穂産人参のピュレ、ブランデーに漬けた干し柿

 

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良い仔猪が入ったので、3種類の部位を楽しんで頂きました。

つけ合わせはこの辺りでクロパラ'80ですから、少し枯れた感じの色に合わせて人参を選択。

意外と色で食材を合わせるとハマる事があります。

枯れたニュアンスが欲しかったので知人の作る干し柿を購入。キレを出す為にその干し柿をブランデーで1週間漬けておきました。

 

あくまでワイン会の趣旨がソムリエO氏の講義を受けながらのワインの飲み比べなので、料理は控えめに。(合わせない訳では無いですが、、。)

特に今回はワインのラインナップが凄過ぎるのでいつも以上に控えめにしました。
前半は「Bosqueso(ボスケソ)」のフロマージュ推し。
クロパラントゥの畑が当時はトピナンブールの畑だったという事で菊芋を使用。
Passage53で作っていたブルゴーニュの古酒に合わせる鶏、ジャガイモ、卵、キノコの鉄板組み合わせ。
仔猪にバランスを取る為に先日バーテンダーに教わったドライフルーツのブランデー漬けを。

地元食材には拘りますが合わせるのがフランスワインですから、バターや調味料、オイルは先日のフランス旅行で買い出した拘りの物を使用しました。

前半の地元推しから、最後につれてマリアージュと良いムニュになったかと思います。

 

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料理を出せば、自分もゆっくり試飲が出来ます。

 

こんなワイン会の料理を担当出来るのもなかなか無いわけでとても光栄な事です。
他に専門誌に載ったり、星を取ったりと有名なシェフはたくさんいますからね、、。
大変ではありましたがやってみないと分からない事もありますし、この経験を活かして更に上を目指したいですね。
フランス料理人ならワインの知識も必要だと思いますが、こんなワインを頂ける事に本当に感謝です。

 

今年も良いスタートがきれました。

更に地元食材を更に勉強して、ワイン(特にNAGANOワイン)に寄り添う料理が作れるように邁進していきます‼︎

 

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