フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

出張料理を始める上で。

コロナ禍でレストランの需要も制限される中、出張料理の需要が増えてきています。

今まで見た事もない様な出張シェフ養成講座の広告がSNS上に出てきたり、実際に始めるシェフが出てきたり。

地方で出張料理人をしてきた自分の見解を書いてみたいと思います。

 

先ずは出張料理人において、家庭の一般的な食事のお手伝い(その日の食事や保存可能なお惣菜作りなど)をメインにした方と家庭やその他の場所でレストランのクオリティの料理を作る方の2種類になるかと思います。

見ていると前者の料理人はこちらが本業と言うでもなく、副業的に収入を得られれば良い様なケースに見えます。

レストランでも薄利多売の商売が難しいように、このケースも1回の単価が低いので数をこなさないと一般人並みの収入にはならないと思います。

都市部において需要はあるかと思うので、副業的な考えならありかと思います。

 

それではレストランで働いてきた料理人がそのクオリティーを出張するケースはどうでしょうか。

こちらも薄利多売と高単価高品質で少量売る方法があるかと思います。

こちらの薄利多売は例えば企業などのパーティーであったり、結婚式のケータリングなど。

ただ、これらのケースは今はコロナ禍で需要がしばらくは無いと思います。

結局のところ、今から出張料理1本で生計を立てたいなら、高単価高品質で少量販売しか道は無いと考えています。

流行り文句の「働く時間は減って、入るお金が増えた。」はこの方法しか考えられないかと。

 

ここからは自分の事で。

レストランの様に毎日予約が入る仕事では無いですから、せいぜい1人辺り15000円〜に別途出張費が妥当な線かと思います。

(自分は色々なホームアドバンテージがあるので10000円〜でやってます。)

 

頼まれる案件がレストランでは目立つVIP(芸能人、政治家など)も多い為、こうしたプライベートな場に入っていける信頼性が求められます。

余計な事は口にしない。余計なSNSアップなどしないなど。

この仕事を始める最初の取っ掛かりがワインでしたが、そこからコツコツと軽井沢で顧客を増やしていきました。

最近見る出張料理講座などにこの様な信頼性があるとも思いませんし、レストラン経営をしていて顧客を持っているシェフならすでにお客様から声がかかっていると思います。

 

そもそも何故これまで出張料理人がいなかったかと言うと、レストランをやるより非効率だからだと思います。

仕込んだ物を梱包、移動をした後は普段使わない慣れないキッチンでの調理、片付け、撤収。。

余程のアドバンテージが無ければ、この仕事をして上手くいくシェフもいないと思いますけどね、、。

 

自分は軽井沢の隣町の佐久市出身なので、軽井沢でやる上ではかなりのホームアドバンテージがあります。

 

今回書いたのはあくまで自分の見解。

正攻法でもこちらに書かれた出張料理の形でも無い方法でやってみても、とは思います。

しかし、何をしても飲食業としては厳しい時代になりましたね、、。

厳しくても世の中に食事が無くなる訳ではないですから、うまく需要を見つけて行けたらとは思います。