フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

伊那のざんざ亭で天然キノココラボ。

先日は3日間に渡り開いた伊那のジビエと山師料理の宿「ざんざ亭」コラボイベントを行いました。

前回が好評だったので、今回は天然キノコの時期にと考えて企画しました。

 

多少、3日間で内容が異なりますが、大雑把なメニューです。

 

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「佐久鯉のブランダード」

「ビーツと生落花生のタルトレット」

 

佐久鯉は自分の地元、佐久の名物です。

鯉は骨が取れないのが問題なのですが、一度火を入れてから身をほぐしていき、丁寧に骨が残らないように取り除きました。

本来なら鱈などで作りますが、東御市の白土馬鈴薯(今回の品種はキタアカリ)と合わせて鯉でブランダードを作りました。

 

寒さが増すこの時期から根菜類が美味しくなりますが、今回は自作のビーツに東御市の生落花生を合わせてタルトレットにしました。

 

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アペリティフは当初はシードルを予定していましたが、お客様持ち込みの小布施ワイナリーの泡になりました。

 

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今年リリースのピノ・ノワールの泡です。

 

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2品目は「信州浸し豆とシカのパテのフリット

 

ざんざ亭で出されている鹿のパテをパン粉を付けて揚げてみました。これが予想していた以上に美味しく出来ました。 温かく頂くだけでパテの印象が全然違いますね、、。

 

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張り切って盛り込むざんざ亭店主、長谷部さん。

 

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「大岩魚のマリネと北信と伊那野菜色々」

 

いつもお世話になっている佐久穂町八千穂漁業」さんの大岩魚をマリネにしました。

シャインマスカット、鬼灯などを忍ばせてフレッシュ、フルーティーを演出。

 

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初日は搬入、仕込みとバタバタで盛り込みも少し大雑把だったかもしれないです、、。

毎回、イベント、出張料理はその場で盛り込みながら配置を決めていくので、ハマらないと上手くいきませんね。反省です、、。

 

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VOTANO WINEのSeba Bianco'12。

 

先日、天然キノコと県産ワインのマリアージュについて勉強会をしたのですが、1番相性が良かったのが坪田さんのソーヴィニョン・ブランでした。

今回も探したのですが、ソーヴィニョン・ブランが見つからなかったのでセバ・ビアンコで代用です。(ちょっと味わいは違うのですが、、。)

 

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「キノコペーストを入れた茶碗蒸し、天然キノコの餡、鹿の脳みその天ぷら」

 

こちらはざんざ亭の定番メニューです。

鹿の脳みそを使うのは、近くで害獣駆除で定期的に入荷可能なざんざ亭ならではの食材ですよね、、。

 

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Comtes LafonのMonthelie Blanc'2010

 

この会の要望でフランスワインもあるので、白、赤1本ずつは加える事にしています。

ラフォンのモンテリーはフランスでもほぼ非売品の貴重なワインです。

僕がフランスに行って購入してきました。

値段もそれほどでも無い割にはしっかりラフォンらしさは感じられますから、お得なワインですよね。

 

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「パンチェッタ(3日目は馬肉)を重ねた玉ねぎのロースト、野草オイル、鹿の肺パウダー」

 

僕がパリ時代に働いていたPassage53のスペシャリテ「玉ねぎトリュフ」の改良版。

伊那は馬肉の産地でもありますから、トリュフの代わりに馬肉の燻製を薄くスライスして挟みました。

アクセントに鹿の肺の感想させた物を粉末状にして降りました。

 

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玉ねぎには貴彦さんのPassetoutgrain'09

 

北海道の2009年はあまり良い年では無いそうなので早く飲んだ方が良いと思うのですが、パストゥーグランは今が1番良いかもしれないですね。

玉ねぎ馬肉との相性も抜群で、この日のマリアージュでは1番だったと思います。

 

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3日目のみお出しした「鹿バラ肉のシードル煮込み。蕎麦粉のニョッキ添え」

 

3日目のお客様からのリクエストがあったので作りました。

初めて作りましたが意外と好評でした。

伊那の食材(鹿、シードル)を使用した料理ですから、もう少し精度を上げて定番メニューにはしたいですね。

 

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「天然キノコのコンソメ、合鴨、鹿のしゃぶしゃぶ」

 

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3日目は参加者の皆さんが採られたキノコも投入してコンソメを作りました。

コンソメにタマゴ茸などの天然キノコを加えて召し上がって頂きました。

 

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囲炉裏で温めたコンソメを長谷部さんが盛り込んでいきます。

 

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食感のアクセントにマコモ茸を加えました。

 

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メインのお肉は夏鹿と辰野町の合鴨です。

 

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長谷部さんが囲炉裏の炭で焼き上げていきます。

 

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焼けた合鴨はその場で長谷部さんが切り分けていきます。

 

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合鴨農法を終えた合鴨に1ヶ月ほど米を食べさせて太らせた合鴨です。

 

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鹿肉は軽く炙ってキノコのスープでしゃぶしゃぶして頂きました。

 

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県産ワインはKIDOワイナリーのMerlot Private Reserve'12

 

最近では本当に手に入らなくなった城戸さんのプライベート・リザーブ。

毎回、このような会ではなるべく城戸さんのワインを召し上がって頂くようにはしてます。

 

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フランスワインはHudelot-BailletのBonnes-Mars'09

 

僕がフランス時代にドメーヌで直接購入したユドロバイエのボンヌマール。

思い出深いワインを参加者の皆さんに喜んで頂けて、本当に良かったです。

 

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鹿スープローメン

 

こちらもざんざ亭オリジナルのロー麺です。

伊那の名物料理ロー麺を鹿のスープで食べるのは長谷部さんならではで、締めの麺でお出しそるこれが美味しいんです。

 

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ラ・フランスのコンポート、酒粕のグラス、香茸のクランブル

 

先日のお寺イベントでも好評だったラ・フランスのコンポートに長谷部さん作の香茸のクランブルを添えました。

僕では考え付かないですから、こういう料理がコラボならではですよね。

 

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締めは佐久穂町の「リンゴ屋 SUDA」さんのプルーンとリンゴのリキュール。

 

ワインは県産を中心に色々。

参加者の皆様にも喜んで頂けて良かったです。

ジビエ料理に長けた長谷部さんとのコラボは面白いです。僕一人ではこんなメニューは出来ません。今回も大変勉強になりました。

 

また次回も頑張りたいと思います‼︎

 

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