フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

徳山鮓で熊鍋。

滋賀県にある余呉湖畔の宿「徳山鮓(とくやますし)」に行ってきました。
 
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伊那のジビエ講習会での徳山さんとのご縁で伺う事が出来ました。今回は徳山さんを中心にした徳谷会(とくたりかい)メンバーで集まりました。
 
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フランスから帰国してすぐに長野から車で6時間、余呉湖畔にある徳山鮓に到着しました。
さすがに時差ぼけも多少あったのでしんどかったです、、。
他のメンバーの到着まで余呉湖の周囲を少し散歩してきました。
 
食事は余呉の伝統料理である鮒鮓や熟鮓(なれずし)、余呉湖から採れる鰻やスッポン、山からはジビエ(熊、鹿、猪、鴨など、、。)など、余呉の自然の恵みを活かした素朴な料理が魅力です。
宿名の鮓(すし)が寿司で無いのは、鮒鮓、熟鮓を指すからですね。
 
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スッポンの茶碗蒸し(暖かいうちに食べようと思って写真を撮りませんでした。)の後は鹿のタタキ。
香茸を乾燥させた粉が良いアクセントです。
 
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こちらが熟鮓。
チーズとトマトソースと一緒に頂きました。
 
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ジビエの盛り合わせ。
猪(生ハム、煮こごり)、熊(生ハム、心臓、肝、腸)など、初めて食べる物ばかりです。
 
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この日が今年の初物のワカサギは天ぷらで頂きました。
 
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自分も地元でもワカサギ釣りをして採りますが、こちらはフワッと軽くて骨をほとんど感じません。ビックリする位に美味しかったです。
いつもは素揚げにしますが、今度は天ぷらにしてみよう、、。
 
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この日のメインは熊のしゃぶしゃぶです。
綺麗な脂ですね。
 
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鍋に生のネギをたっぷり投入した所にしゃぶしゃぶして頂きます。
 
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これも素晴らしく美味しかったです、、。
 
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こちらが発酵の達人、徳山さんの鮒鮓です。
鮒鮓は臭いというイメージでしたが、全く嫌な臭みがありません。
まるで美味しいフロマージュですね、、。
地元の日本酒「七本槍」にもピッタリです。
 
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熊鍋の残りは雑炊で頂きました。
 
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お新香と共に。
日本の贅沢です、、。(フランス帰国後なだけに尚更)
 
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鮒鮓の米で作ったアイスクリーム。
 
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徳谷会の貸切なので、仕事を終えた徳山さんと別室で飲み直し。
お供は熊ジャーキーです。
 
この日は徳谷会の持ち込みワイン会だったので、自分は2本を持ち込みました。 
 
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1本目はルーミエのシャンボール'04。
決して良い年ではありませんが、村名ならそろそろ良いだろうと思って開けました。
予想通りに適度な熟成で、香りが半端無くエロかったです、、。
個人的にはこの日の1番ですね。
 
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2本目は城戸さんのプライベート・リザーブ「メルロー'10」
こちらは東京のフェアで開けているので味わいは確認済み。
2010年の長野県のワインは天候に恵まれなかったはずですが、メルローはまだ元気ですね。
カベルネやピノが枯れ気味だった事を考えると、やはり塩尻辺りはメルローが適正品種なのではと個人的には考えています。
 
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この日に持ち込まれたワインです。
 
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一夜明けて余呉湖を眺めながらの朝食です。
 
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こういう素朴な和食が逆に今では贅沢ですよね、、。
 
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稚鮎も土佐酢で頂きます。
いやはや、どれも絶品。
 
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朝食後は出来たばかりの徳山鮓のジビエ解体施設を見学させて頂きました。
鴨はまだ熟成が足らなかったので出さなかったとの事です。
 
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建物の横には大きな桶がありました。
 
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この中身はスッポンですね。
勿論、余呉湖で取れる天然物です。
 
素朴ではありますが、極めて贅沢。
地産地消の究極形ですよね、、。
自分は佐久でどういった方向性で料理を作っていけば良いのか、大変勉強になりました。
 
今回は季節では無いので余呉湖の天然鰻を食べていません。
また季節を変えて、勉強に来たいと強く思いました。