フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

地域共生レストランを考える。

先日、軽井沢に出張料理に行った際に「mitsuさんにピッタリのお店だと思うから。」とお勧めして頂いてお借りしたアメリカ西海岸のレストラン「Chez Panisse(シェ・パニース)」のBD(ブルーレイ)を観てみました。


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シェ・パニースの創業は1971年。新鮮な地元の旬の有機栽培の素材にこだわったオーガニックレストランです。

レストランから出る生ゴミも堆肥にして土に還す循環型レストランでもあります。


実はフランス時代にパリに行く前にこうした循環型レストランで働いていました。

Nord地方のレストラン「Chateau de Montreuil(シャトーモントルイユ)」


小さな城には綺麗な庭があり、庭師が手入れをしていました。その庭師が厨房から出る生ゴミで堆肥を作り、畑仕事もします。

庭師から採り頃の作物の情報が入り、次の日の早朝に料理人が収穫してきます。自分もいつも収穫に行っていました。


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働いていたのでこうした構想は頭にありました。

実際にウチの家庭レベルでは既にそうしています。これをレストランレベルでどうするかですね。


このBDを観て料理はもちろんですがレストラン以外の様々な活動(ファーマーズマーケット、食育など)にも感銘を受けました。

(久しぶりに昔の料理王国を取り出して、昔のシェ・パニースの記事を読み返してしまいました。)


今の直売所では生産者は現場に立ちませんが、フランスの朝市には立っています。軽井沢や観光シーズンの日曜朝だけでもそんな生産者と話しながら量り売りの出来る朝市が佐久にあっても面白いかな、と思います。


食育に関しても、作る畑の規模がアメリカは違いますね、、。

あの規模の畑が自分も欲しい位です。

ただ、コンビニ食品や化学調味料が蔓延している中で、一から食材を作って実際に調理してみることはとても重要だと思います。

野菜が美味しいと評判の佐久ですから、ここから発信する意義はあると思います。


どちらもレストランオーナーのアリス女史が先頭に立ってやっています。


一昔前のフランス帰りの本格的なレストランの少なかった時代なら誰でもレストランを出す意義はありましたが、今では完全に飽和状態です。

フランス帰りも珍しくありません。


飽和状態ですから、本当に必要なレストランとはどんなレストランかを考える必要があると思います。

僕は地方では地域共生レストランがそれだと思いますし、シェ・パニースはピッタリだと思います。

こうしたレストランが長く人に愛されるレストランなのではないでしょうか。


佐久の職人の集まり「39BAR(サクバル)」メンバーの皆さんとも相談しながら、このアイディアを形にして佐久を盛り上げられたらと思いました。


佐久のBrasを目指す!と言っていましたが、どうもシェ・パニースの方が合っているかもしれませんね。


良いBDを観れました。軽井沢別荘のMさんに感謝ですね。