フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

特別な食事会の出張料理。

軽井沢に出張料理に行ってきました。

 

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特別な食事会で若いゲストの為に自分にとっても特別な料理をお出ししました。

自分の料理人人生の転機はやはり「Passage53」佐藤シェフとの出会いだと思います。

新規開店間も無くでまだ星も取っていなかった同店(現在は2ツ星)に伺って、その料理に衝撃を受けて働き始めました。

そんな転機になった料理を信州の食材でアレンジして何品かお出ししました。

 

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アミューズは季節の信州の品をフィンガーフードに。

木のスプーンには東御市の白土馬鈴薯を。

品種は皮の赤い「アンデス」、この時期の新ジャガは皮まで美味しいです。

中をくり抜いて黒姫鶏のミンチと胡桃、山椒を混ぜて詰めました。

手前は長和町メゾン・デュ・ジャンボン・ド・ヒメキさんのソーシソン。


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小さなタルトレットは野菜のタルトレット。

下に山葵サワークリームを敷いて、胡瓜、ズッキーニ、赤玉葱などをミントで風味付けした物とアスパラ(細)の2種類。

 

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畑にディルの花が咲いたので添えました。


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ブロッコリーのピュレとスナップえんどう。

ブロッコリーはPassage53の作り方。

そこに少し育ったスナップえんどうの豆(大、小)と皮に分けて、皮はピュレ、豆(小)は10秒火入れをして上に。豆(大)はもっと長く火入れをらしてメインの付け合わせにしました。

酸味でライムジュレを添えました。


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前菜はいつも愛用の八千穂漁業さんの大岩魚。


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新玉葱のババロアやシーズン最後のワラビ、シーズン始めのトマト、素麺カボチャなど。


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毎回、前菜辺りの盛り付けはバタバタするのですが、今回は4名様だったのでかなり余裕を持って盛り付けました。


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山女魚のリゾット。

 

山女魚などの川魚は塩焼きを超えないなら色々やらない方が良いと考えています。

山女魚のアラをしっかり焼いて出汁を取り、小松菜、胡瓜を炒めたところに米や身と一緒に注ぎ足しました。

川魚の香りや味の邪魔になるので玉葱やフロマージュも使わない為、リゾットというよりは雑炊かもしれません。

刻んだ茗荷竹と咲いていた畑の胡瓜の花を添えました。

 

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こちらもPassage53の代表的な料理の玉葱。

パリでも作りましたし、日本国内最初のニューオータニにフェアでは、ヘルプに入って沢山作りました、、。

一枚一枚火を入れた玉葱をバラして。信州産のパンチェッタを挟んでは玉葱を元の形に戻してキャラメリゼ

見た目はシンプルでも細やかな仕事がガストロノミーらしい料理だと思います。

夏で暑いので、仕込んであったルバーブのピクルスを添えました。


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メインは黒姫鶏ムネ肉のロースト。

骨付きのムネ肉をオーブンでしっとりと焼き上げました。


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手前には季節に作っておいた青梅のチャツネ。

奥は季節野菜をそれぞれの調理法で。

 

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出張料理の難しいのはやはりメインでしょうか。

限られたキッチンの設備で暖かく出すのはなかなか難しいです。

いつもシンプルを心掛けますが、色々と盛り過ぎましたね。


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野菜は畑で自分で育てた物を、形の良い物をハサミで切り取りました。

 

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柔らかい部分だけを必要分採れるのは自分の畑のある強みだと思います。

 

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ナスタチューム、ボリジなどの食用花から茗荷竹、タイム各種、シブレット、山椒、スプライト系ハーブまで。

4名分を畑から直接摘んできました。

この季節はあまり他から買う必要もありません。

料理を出しながら色々とお話ししましたが、若い2人のゲストにも何か感じて頂けたでしょうか?

 

初めてのキッチンは毎度緊張するのですが、無事に終えられてホッとしてます、、。

会話も凄く弾まれて、素晴らしい会になって良かったです‼︎