フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

4年半の料理修行を終えて地元信州に帰ってきました。帰国後の出来事、感じたことをつらつら書いていきます。

貞祥寺で酒フレンチ。

先日、佐久の貞祥寺で行われた「醸 KAMOSU 佐久の酒と発酵食祭り」のShikaryo sake dinnerを担当させて頂きました。

 

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フランスにも縁のある苔生す貞祥寺で行う寺フレンチ。佐久の日本酒と合わせて料理を作らせて頂きました。

 

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普段は檀家さんやヨーロッパなどのお弟子さんがいらした時に使われる知客寮(しかりょう)をフレンチの場にアレンジ。

 

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素晴らしいアレンジをして頂いたのは軽井沢を中心にフルオーダースタイルのフード・カフェケータリング、パーティーのフードコーディネートを手掛ける「VISCONTI+compagno」大崎さん。

 

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日本酒は佐久の13蔵14人「SAKU13」から土屋酒造、土屋さんが担当。

 

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アミューズは3点盛り。

 

発酵飯のおかきに東御産のブロッコリー

佐久鯉と白土馬鈴薯のコロッケ。

佐久穂産カボチャのタルトレット。

 

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最初のお皿は会場内を「苔生すお寺で食事」という雰囲気にする為に、日本らしいお皿に乾燥させた苔、和紙で貞祥寺らしさを演出しました。

 

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合わせたお酒は土屋酒造「茜さすスパークリング」にウチの自家製果実酒を混ぜたカクテル。

 

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事前に3種類の果実酒で試してみて、土屋さんに太陽(スモモ)を選んで頂きました。

 

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前菜は八千穂漁業の大王岩魚とプレジデント(プルーン)のタルタル、蕎麦粉クレープ包み。

 

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緑のクーリは野沢菜。ほおづき、素麺カボチャなども添えました。

貞祥寺から徒歩2〜3分にある食用花栽培「Suki Flower Farm」で佐久の花コスモスやダリアを中心に購入。

 

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合わせた日本酒は大塚酒造「浅間嶽」純米吟醸

 

日本酒に合わせるという事で和食のイメージから料理もアプローチしています。

こちらは刺身のイメージから香りと米の旨味が調和したこちらを使用しました。

 

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温前菜は「玉ねぎと生ハムのミルフィーユ」

 

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こちらは自分がパリ時代に働いていた「Passage53」のスペシャリテの自分なりの改良版。

自分の経歴や本場の星付きレストランの料理を知って頂く分でも、フランス修業時代でも1番影響を受けたレストランの料理をお出ししました。

少量多皿のコースで進むPassage53では玉ねぎのみですが、今回はそこに信州のキノコを添えました。

 

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お寺のキッチンだと難しいかとも思ったのですが、綺麗に焼き色も付いて上手くいきました。

 

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合わせたのは木内醸造「初鶯」大吟醸 1997年 大古酒。

 

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特注蔵出し、非売品の品ですが、打ち合わせの段階で試飲をしていました。

かなり熟成した色合いから焼いた香ばしさをイメージ。

玉ねぎミルフィーユは1回火を入れた玉ねぎを1枚1枚剥がして、生ハム、玉ねぎ、生ハム、玉ねぎと組み直して砂糖とバターでキャラメリゼします。

そのキャラメリゼが合うと考えました。

 

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メインは「信州産 経産牛ホホ肉の酒粕溜まり煮込み」

 

子供を産んで商品価値の下がる経産牛も美味しく食べ切るをテーマにしてみました。

 

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メニューを考えた元はこの酒粕溜まり。

溜まり醤油、溜まり味噌のように、酒蔵にも酒粕溜まりがあるそうです。

これはかなり綺麗にすくい取ってくれたそうです。

味わいは高級な味醂といった感じだったので、フランス風の肉じゃがを考えました。

 

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お肉は経産牛ホホ肉にして酒粕溜まりと少しお醤油などで仕上げ、軽井沢サラダファームの色とりどりの人参に白土馬鈴薯のソテーを添えました。

肉じゃがを意識したと分かり易くする為に白滝を加えました。

緑はクレソンです。

 

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肉の塊を切り分けると冷めるのが早いので、煮込み料理にしました。

ボランティアの方々が混乱しないように、作った物を真空パックで小分けしてお寺の大釜のお湯で温めました。

 

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合わせたのは伴野酒造「澤の花」生酛特別純米 お燗

 

こちらは蔵元の方々自らお燗を入れてくださいました。

 

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ワインなら冷やすか常温までだと思いますが、日本酒はお燗まで出来るのが優れた点だと思います。

料理のイメージをお話ししたら「お燗にしよう。」となったのですが、そこがやはり日本酒のプロですよね、、。

 

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デザートは「ヌガーグラッセとウチのラ・フランスのキャラメリゼ、酒粕カスタードクリーム、栗のクランブル」

 

たくさんお酒を飲んだ後なので、冷たいアイスクリーム的な物が良いと考えました。

自分の設備的にアイスクリームが作れないので、立てた生クリームとイタリアンメレンゲを合わせて冷やし固めるヌガーグラッセにしました。

中には東御の種無し巨峰やクルミを混ぜました。

 

紅玉には少し早かったので、洋梨でタタン風をイメージ。

酒蔵コラボも意識して酒粕カスタードクリームも添えました。

 

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イベント事では最初と最後の演出を意識します。

器などでその雰囲気を楽しむイメージでしょうか。

昨年は酒蔵のお酒の升を用いましたが、今年は半割りにした竹にしました。

 

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合わせたのは武重本家酒造「牧水」貴醸酒 1999年。

 

仕込水の代わりに清酒を用いた貴醸酒の大古酒です。

 

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蜂蜜様の高貴なニュアンスに熟成したこの色合い。

このイメージからキャラメリゼをした何かを作ろうと考えました。

 

ちなみに前のお燗とこちらに使用した白磁器は佐久穂在住の日本利酒選手権大会の優勝者、由井志織さんデザインの物です。

 

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よく他方でも有名なシェフやデザイナーなんかを呼んでイベントをしていますが、自分は先ずは他方に頼らないで自前で頑張ってみる事が筋だと思います。

自分達がやれるところまでやった上で呼んだりするならアリですが、最初から頼り過ぎは良くない。

他方からの方々に「地元愛」はありませんからね。

 

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その点、佐久地域の人財、食財(ここではあえて財の字を使いますが)でこれだけのイベントが出来た事が嬉しいですね。
関係者やボランティアの方々、参加されたお客様に本当に感謝です。

 

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凄く大変ではありましたが、とても楽しかったです。