フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

軽井沢でシャンパン古酒会。

週末は恒例の軽井沢DVDワイン会の出張料理に行ってきました。

 

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今回のテーマは暑い夏らしく「Champagne特集」です。

 

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Louis Roederer Cristal 2007
Marguet Sapience 2006
Boerl & Kroff B 2003

 

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Henri Giraud Fut de Chene Blanc de Blanc 2002
Bollinger R.D. 2002
Henriot Cuvee de Enchanteleurs 1995

 

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Dom Perignon 1978
Taittinger Brut 1969
Ruinart Brut 1969

 

ドンペリニョン、テタンジェ、ルイナールのようなお馴染みのメゾンの古酒からビオディナミの奇才エルヴェ・ジェスタンとの共同作業で注目のマルゲのサピエンス、ボエル&クロフはセカンドラインの「B」と言っても生産本数の少ない希少品。(セカンドラインと言っても結構な金額です、、。)

シャンパーニュ好きなら堪らないラインナップだと思います。

 

料理は5品を作りました。

 

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東御産完熟トマトウォーター、信州サーモンを巻いたブーケサラダ

 

透明なトマトウォーターはこの業界にいる料理人ならお馴染みのテクニックです。

よくこちらをゼラチンで固めたりしてお馴染みのトマト料理(カプレーゼ、ガスパチョなど)をガストロノミーにしたりします。

 

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今回は素直にトマトの味わいを楽しんで頂くと同時に、グラスにトマトの葉を巻いてトマト畑で水遣りをした際に香る猛烈なトマトの香りを楽しんで頂こうと考えました。

液体なら口元にグラスを持ってくるので、香りも感じ易かったと思います。

 

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隣にはこの時期に美味しい葉物で信州サーモンを巻いてブーケにしました。

葉物は佐久穂「GoldenGreen」さんの畑で摘んできました。

 

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巻くシブレットは切れないように太い物を自作の畑で摘みます。細い物は中に挟みます。

こうして好きなサイズを摘めるのは、自前の畑を持つ強みですね。

 

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東御産トマト3種、山羊乳のババロア、「Bosqueso」Tenrai(シェーブルチーズ)、おからのクランブル、ルバーブのチュイル

 

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東御のミニトマトにボスケソさんのシェーブル。もうボスケソの是本さんはお馴染みになりましたね。

 山羊乳は地元の畜産試験場の山羊乳を頂いてババロアにしました。

この時期は搾乳の季節なので、品質も良いです。

 食感の足しに近所のお豆腐屋さんでおからを頂いて、ピーナッツオイルなどで香りを付けてクランブルを作って振りました。

 

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ボリジ、ナスタチュームフェンネル、ディル、コモンマロウ、、花などはこの季節は自作の畑で採り放題です。

 

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千曲川産鮎のリゾット

 

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友人に千曲川産の鮎を頂いたのでリゾットにしました。

鮎は塩焼きが1番、という考えなので、自分のテクニックの見せびらかしにならないように美味しい提供の方法を考えました。

やはりコンフィなどにするよりは、身を地元の米と合わせる。頭や骨は出汁を取ってリゾットにする。具はキュウリと今の季節の青物で間違い無いかと。

もっと細かい仕事をしたいのですが、前日から仕込みをして当日に1人で10名の調理、サービスだとこの辺りが時間的に限界です、、。

 

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八千穂漁業」大王岩魚、みさきキャベツ、季節野菜色々、レモングラスの泡

 

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大王岩魚は馴染みの「八千穂漁業」佐々木君にいつも凄く良い物を選んで出して貰っています。

 

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こちらのラディッシュスナップエンドウは佐久穂「いそベジ農場」磯辺さんから頂きました。

 

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少し育ち過ぎのスナップも豆を出せばプティポワのように使えます。今回はあえて育ち過ぎの物を選んで頂きました。

 

泡にはレモングラス風味のボルディエのバターを使用しました。

 

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福味鶏、白土馬鈴薯モエシャンサヴァイヨンソース

 

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葉物とメインの人参は佐久穂「GoldenGreen」さんでちょうど良さそうなサイズを頂いてきました。

自分で畑もやっていますが、地元の生産者、プロの方が上手な食材は作らないでその友人達から購入するようにしています。

 

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今回のリストにドンペリニョンがあったので、ソースにはスタンダードのモエ&シャンドンを使いました。

69年のシャンパーニュにはあまり味わいが合わなかったと思いますが、ドンペリニョン'78には合ったと思います。

 

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1人で10名様のコースを作るのでやり過ぎると盛り込みも間に合わないのですが、今回も限界ギリギリまでチャレンジ。

 

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料理出しが終われば自分も試飲タイムなのですが、フランス時代から通してもシャンパン古酒はあまり飲んでいなかったので良い経験になりました。

 

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69年は枯れてこのような色合いに。

勿論、これはこれで面白いのですが、今回で言えばしっかり泡も残って適当に熟成したドンペリニョン'78やアンリオ'95が個人的には好きですね。

 

主催者Y氏、ソムリエO氏に何故か自分というDVDワイン会も第1回のG.Roumier会から始まり今回で30回目です。
無い知恵を絞りながらメニューを考え、長野中を走り回って食材を集めて料理を作りましたし、毎回出されるビックリするようなワインを試飲して素晴らしい経験をさせて頂きました。
NAGANOワインの需要も伸びてきてワインの勉強をした料理人が必要な時代が来ていますから、この経験を活かして地元に貢献出来るような料理人になりたいと思います。

 

次回のテーマも聞きましたし、引き続き頑張ります‼︎