フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

軽井沢でボンヌマールワイン会。

週末、恒例のDVD軽井沢ワイン会の出張料理をしてきました。
ワイン収集家Y氏の別荘でソムリエO氏の講義を受けながらワインを楽しむ会です。
今年で3シーズン目に入りました。

今回のテーマは「Bonnes Mares」でした。

f:id:monsieur0204:20160417100930j:image

George Roumier 1994、1996
Vogue 1995、1996
Robert Groffier 1999
Jacque Frederic Mugnier 2008
Lucien Le Moine 2007
Olivier Bernstein 2011

f:id:monsieur0204:20160417145858j:image

2日目はJacque Frederic MugnierとRobert Groffierに代わり

d'Auvenay 2000
Dujac 1985

料理は5品を作りました。

f:id:monsieur0204:20160417145945j:image

おやき(菜の花、黒アワビ茸、松本葱、春日「Bosqueso」のモッツァレラ)、ワサビの花

以前から信州の伝統食「おやき」を出せないか考えていました。
今回は知り合いの作ったフロマージュを混ぜたシャンパンに合う味わいで作りました。
下のお皿は八千穂高原から切り出した白樺。
おやきは囲炉裏の灰で蒸し焼きにするやり方もあるので、それをイメージした灰色の蕎麦パウダー。
先日、摘みに行ったワサビの花と葉を飾りに使いました。食べてもピリッとしたアクセントになったと思います。

f:id:monsieur0204:20160417150338j:image

佐久穂「八千穂漁業」大岩魚のマリネ、白樺樹液のジュレ、「Bosqueso」のカッテージチーズ、ウドとウルイのコンディモン

いつもお世話になっている八千穂漁業さんから美味しくなってきた大岩魚をマリネにしてお出ししました。
通常、川魚は寄生虫の問題で生では出せないのですが、こちらは養殖という事で生でも食べれます。
こうしたところは養殖の利点ですね。

f:id:monsieur0204:20160417150714j:image

先日のブログの記事にも書きました白樺樹液をジュレにしました。
同じ旧八千穂村の食材、雪解けの川の様子を表現してみました。

f:id:monsieur0204:20160418093600j:image

玉ねぎのキッシュ、佐久穂「きたやつハム」のパンチェッタ

この辺りからワインに少しずつ合わせます。
自分が働いていたパリの2ツ星「Passage53」の玉ねぎ、チョリソーを地元のきたやつハムさんのパンチェッタで作りました。
合わせたのはキッシュ。
パイ、卵、フロマージュ、玉ねぎ、ベーコン。
間違いの無い組み合わせですね。

f:id:monsieur0204:20160418093909j:image

武石産信州地鶏のロティ、ほうれん草のピュレ、かき菜菊芋、川で摘んだクレソン

信州地鶏は骨付きで低温で焼き上げ、最後にしっかり焼き目を付けました。
付け合わせは地元で採れた物を。

f:id:monsieur0204:20160418094100j:image

川で摘んだ天然のクレソンも添えました。

f:id:monsieur0204:20160418094138j:image

安曇野産熊肉のラグー、ロース肉のロティ、東御産白土馬鈴薯のピュレ

今迄はジビエの購入は伊那からでしたが、先月まで白馬に居た事で安曇野、大町界隈も少しずつ開拓出来ました。今回はその繋がりで熊肉をご用意しました。
ロースは問題無かったのですが、切り落としはかなり臭みがあったので臭み抜きに苦心しました。
胡椒やスパイスを使うとボンヌマールに合わないので、柑橘などで味を調整しました。

f:id:monsieur0204:20160418094514j:image

毎回、1人で10名分なので大変ですが、かなり慣れてきましたね。
今回も焼き物、揚げ物、蒸し物がありましたが、少ない火口で何とか対応させて頂きました。

f:id:monsieur0204:20160418094707j:image

このようなワインを飲めるのは良い経験になります。今回も大変勉強になりました。(調理中は飲んでいる場合では無いんですけどね、、。)

今回は一皿目に信州の伝統食「おやき」をご用意しました。
やはり信州で味わうという事でこれからも僕の解釈でワインに合う伝統食の変化形を考えていきたいですね。
毎回、凄いワインが並ぶ会なのでメニューを考えるのも大変ですが、3シーズン目も頑張りたいと思います。