フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

こぼれ種のハーブ。

フランスから本帰国して自分の畑をやり出して3年が経ちました。

f:id:monsieur0204:20150611223225j:plain

元々は軽井沢のレストランで働いた事がきっかけでした。
軽井沢は繁忙期、閑散期が本当にはっきりしています。
GW前、夏の繁忙期前というのは本当に暇でした。それでも繁忙期である程度稼げるので気にしないのが軽井沢の商売です。
しかし、どうもその何もしない時間がもったい無いと思い、地元の利を活かして畑を始めてみました。

f:id:monsieur0204:20150611223515j:plain

ネット上から自分が料理に使いたいハーブの種を購入しました。
やり方はこの道何十年の祖母に教わりながら、ハーブを育てていきました。

f:id:monsieur0204:20150611223926j:plain

最初は一般的なディル、セルフィーユ、パセリ、タイム、ローズマリー、エストラゴン、ミント、シブレットなどです。

f:id:monsieur0204:20150611223948j:plain

1年目も上手くいき、2年目には花が咲きました。こうした花も料理に飾れると1年目と同じように育てていきました。

f:id:monsieur0204:20150611223855j:plain

3年目にはこぼれ種で何もしなくてもハーブが生えてきました。
こちらはイタリアンパセリとディル。
もちろん、生えてこない種類もあります。

f:id:monsieur0204:20150611224313j:plain

3年やってみて、ハーブはいちいち毎年植えては育てるのではなくて、こぼれ種で出るのが1番だな、と感じました。(もしくはシブレットのように越冬させて2〜3年。もしかしたら消えてしまう事も想定して、毎年苗を育てて植える事も現段階では欠かしません。)
おそらく雑草のように勝手にたくさん生えてくるこうした背景が、ヨーロッパの料理にふんだんにハーブが使われる理由なんだと思います。
(もちろん、これに該当しないハーブもあります。)

今年もフランスから帰って張り切って肥料を蒔いて耕耘機で土起こしをしてしまったのですが、こぼれ種が生える5月のGW明けまで様子を見た方が良さそうですね。

f:id:monsieur0204:20150612023504j:plain

毎年、陽射しに弱いハーブは夏の間に暑さでやられてしまうのですが、今年は木陰にハーブの畑を開墾してみました。
まだ小さいですが、この位のスペースで一夏使えるハーブは育てられそうです。

f:id:monsieur0204:20150612023725j:plain

自分は料理人なので、ずっと畑をやるわけにはいきません。
こぼれ種で毎年生えてくればいろいろな手間が省けますし、ここまで最低3年はかかるので他店に真似される事もありません。

「適地適作」

毎年、苗を作って植えなくても、こぼれ種で放置しても生えてくる、そんな充実のハーブ畑にしたいと思います。

(ちなみに最初の写真は、自分の畑の周りの景色です。)