フランス帰りシェフの信州田舎暮らし。

8年前にフランス料理修業を終えて故郷の佐久市に帰ってきました。夏は軽井沢で出張シェフ、冬は白馬でホテルの総料理長。畑仕事にワイナリー巡りに11月は1ヶ月のフランスバカンス。今迄に無い料理人の生き方を模索中。

白馬の業務終了。

白馬の業務、無事に終了。

 

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4ヶ月分の汚れをしっかり落として、次のシーズンに備えて道具もしまいました。

 

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暖冬でしたが、雪に恵まれた昨シーズンの売り上げを大幅に更新出来ました。

レストランもリピーターの方々が多いですし、宿泊も常に満室でここに泊まりたくて近くで待機して僅かな空きを待つような状況でした。

既に来シーズンの予約も入り始めていますから、4シーズン頑張った結果も出始めた気がします。

 

白馬の特性を知るのに2シーズン、やっとメニューが固まり始めたのが昨シーズンですから時間がかかりましたね、、。

ほぼ外国人客のマリレンは日本人の感覚だけでやってはいけない場所なので、アジャストするのが大変でした。

白馬は美味しいレストランが無い、なんて言われていますが、新規に入ってきた近年の有名レストランはことごとく上手くいかなかったと思います。

(外国人のアルコールの摂取量が日本人の比では無いですから、安易な飲み屋をやるのは分かりますが、、。)

思った食材も入り難い白馬ではその環境を上手くこなせないといけませんし、多くのキッチンが海外からのワーホリスタッフと一緒に働くので公用語は英語です。

この環境に耐えられるのは調理技術以外にも「長野が好き」「白馬が好き」といった気持ちが無いと難しいだと思います。

 

フランスで培ってきた技術や経験が活かせて、地元貢献にもなって、ちょうど軽井沢が暇な時期に4ヶ月留学シェフみたいに英語まで勉強出来るわけですから、自分にとってはピッタリ過ぎますけどね。

軽井沢のようなガストロノミーを作り続けるのも疲れますから、フランス時代の週末に友人に振る舞うような肩の力の抜けたビストロ料理を作るのも気分転換が出来て良いものです。

 

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2月の終わりくらいから暇になるので辞めるスタッフは辞めていきますが、まだ残っているうちにささやかなお疲れ会をしました。

(写真を撮る前に料理は食べ尽くされていました、、。)

 

来シーズンは素敵な女性サービス陣もほぼ決まり、今シーズンのスタッフも帰ってくる予定ですから更に良くしていけると思います。

今から来シーズンが楽しみですね。

 

3月一杯まで宿泊があったのでホテルにいましたが、佐久に帰って遅れている畑仕事をこなしながら5月の出張料理に備えたいと思います!

白馬飯店でワイン会。

新潟から帰って、今度は白馬の方々と白馬飯店でワイン会。

 

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ヨシ君が「哲ちゅばり」に参加したという事で、薪火で富山からの蛍烏賊や銀鱈を焼いてくれました。

終始、店内で火が上がるものだから、火事にならないか心配でした(笑

いつもエチェバリなんかの画を見ながら「あんなに炎が上がって焼けるの?」なんて思っていましたが、やっとこの調理の狙いが分かりました。

 

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持参のワインはスタッフの誕生日、シーズンお疲れ様で「Meursault 1er cru genevriéres '08」(Domaine des Comtes Lafon)

 

白馬で頑張ったスタッフが長野で営業希望だったり、ワインを勉強したい、といった事なら、自分もそれなりのワインは出すつもりでいます。

自分も先輩によく飲ませて頂きましたが、さすがにこのクラスのワインを若い人がお金を出して購入するには高過ぎますよね、、。

高過ぎるのか適正なのか飲んでみないと自分の舌の物差しも出来ませんから、これも勉強です。

 

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日本ワインも合わせて4本。

この日はよく飲みましたね。

長野県がワイン県を目指すならワインを造る方々が増えるのは勿論ですが、そのワインを活かす料理人も育たないと。

 

白馬でもよいワイン仲間が出来ました(笑 

 

ウオゼンで食事。

白馬の仕事も落ち着いたので、料理人仲間で新潟三条「ウオゼン」さんに行ってきました。

 

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新潟の海の幸、山の幸。

ジビエもあるという事で、「たくさんだしてくださ。」とお願いしました。

写真はスペシャリテ佐渡産ボタンエビにブイヤベース、ルイユ。

 

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アミューズ3種はイノシシのリエット、玉葱マカロンツキノワグマのラグー、ラルドのタルトレット。

 

最初からジビエ全開。


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ヤリイカの薪火焼きにグリーンピース

 

スペインの「エチェバリ」が持て囃されてから、薪火に注目が集まっていますね。

鮮度の良いイカだからこそ、シンプルな火入れが素材を引き立てます。


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ジビエ、野草コンソメ


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最初にコンソメのみを飲んで、鳥の足跡に型取られた香茸パウダーを落として変化を楽しみます。


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アスパラ、マゾイを挟んでメインはイノシシのロワイヤルと雪下人参。

超クラシック。

 

高度な古典テクニックから薪火の素材重視の料理までとにかく素晴らしい。

 

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地方レストランだと料理は良くてもワインリストが、、みたいな事もありますが、こちらは日本ワインからフランス、イタリア、スペイン、、自分好みのワインがあり過ぎて選べないくらい。

 

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おススメに従って先ずは農楽蔵さんの泡。

もう生産されていないナイアガラの泡だとか。


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長野では滅多にお目にかかれない中澤さんのクリサワブラン。

こちらは'13。


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ジビエコンソメに合わせて貴彦さんのパス'12。

こちらはウチの蔵にたくさんあるので、マリアージュと味わいの確認から。


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メインにはおススメして頂いた農楽蔵さんのNora Rouge'17

少し早いかな、と思いましたが、時間をかけてあげると次第に開いてイノシシとも合いました。


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新潟でこれだけの著名日本ワインが飲めるレストランもなかなか無いと思います。

本当にワインも大満足。

 

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地方レストランとして、食事から演出から大変勉強になりました。

白馬に働き始めてからあまりジビエに触れる事もないんですけど、もっと勉強しないと、、。


まだまだ飲みたいワインもたくさんあるので、毎シーズン白馬の仕事が落ち着く時期に伺おうかと思います!

 

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セイズファームを再訪問。

富山2日目は氷見「セイズファーム」に行ってきました。

 

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前回は無計画に冬季休業中に来てしまい、開いていない建物の周りをウロウロ。。

 

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今回はしっかりアポを取って醸造所見学、その後はレストランで食事も頂いてきました。

 

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先ずは醸造所の中から。

 

富山でワイン?から始まったので、当たり前なんですけど色々問題もあったそうです。

今ではセイズファームのワインと言えば人気ですからね、、。

この日は白馬に車で帰らなければならなかったので試飲は無し。

 

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醸造所見学の後はレストランへ。

 

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入って右が雑貨やワインの販売。


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左がお洒落なレストラン。

 

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団体テーブル意外は富山湾や氷見の街、遠くの黒部の山々が望める見晴らしの良い席です。

 

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コース料理で頂きましたが、この日のメインは甘鯛でした。


鰤のイメージが強い氷見市にワイン目的でお客さんに来てもらうには半端は良くない、という事で、立派なレストランと宿泊施設が建てられたそうです。

この日も自分達以外は女性客で満席(回転もしてました。)

たまたま富山ナンバーの車が多かったですが、意外と富山市からより金沢市からの方が近いそうで石川ナンバーも多いとか。

 

ワインも料理も評判が良いですからね、、。

やはりワイン産地になれば、次はワインを美味しく飲ませるレストランですよね。

色々考えさせられました。

 

本当に充実の富山滞在でした。

 

富山の種麹店を訪問。

富山巡りの最後は南砺市「石黒種麹店」さんに行ってきました。

 

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北陸で唯一、全国でも僅か10件あまりしかない種麹屋さんで、味噌や酒などに使われる「糀(こうじ)」を作ってらっしゃるとか。

 

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伝統ある立派な店構えですね。

 

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こちらの甘酒を頂きながら、種麹、発酵についてお話を聞かせて頂きました。

 

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日本の料理業界でも急に発酵が持て囃されていますが、こちらのお話を聞くと何とも安易な技術に思えてなりません。。


発酵と言えば信州だと思っていましたが、他県の素晴らしい生産者を見ていると逆に信州の利点、欠点なども見えてきますね。

今迄は地元信州を知る時間でしたが、もう少し他県も勉強して地元を客観的に見てみても良い時期に来たのかもしれません。

 


2日前に急に思い立って「料理人が行って心踊る所を案内して。」と無茶振りしたにもかかわらず、こうして素晴らしい富山の生産の場を案内してくれた友人シェフに感謝です。

まだ足らないらしいので、また白馬の時間の空きを見ながらお願いしようかと思います。

 

刺激的な富山巡り初日でした。

 

 

富山の醤油蔵を見学。

富山県小矢部(おやべ)市「畑醸造」さんで醤油作りの現場を見学してきました。

 

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一からお醤油の作られる工程を説明して頂き、実際にその場を見せて頂きました。

 

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こちらは北陸の1〜3月の寒い時期にだけ仕込まれるお醤油で、富山産の厳選された大豆を使用した昔ながらの製法で3年以上かけて作られるそうです。

 

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こちらが昔ながらの煉瓦作りのこうじ室。

 

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手作業で温度が均一になるように気を遣うとか。

昼夜2〜3時間毎とは大変な作業です。

こちらで出来た醤油麹に塩水を混ぜてもろみ部屋へ。

 

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こちらのもろみを3年間管理。


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もろみを袋に入れてゆっくり絞り出します。

絞り出したお醤油を味見させて頂きました。

 

一般的なスーパーで見るお醤油と原料、工程での違いなども教えて頂き、とても勉強になりました。

最初のこうじ室の大きな機械で温度管理、混ぜ合わせたり、もろみ管理の3年間を無理矢理発行を促して1年弱で完成させるなど。

 

日本人の料理人ですが、全くお醤油の作られ方が分かっていませんでしたね。。

 

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先日の地元の味噌蔵見学の時もそうですが、「製造工程で出るコレを何か料理に使えないか?」なんて話も現場を知れば出てきますし、こうした応用が都市部の料理人に真似出来ない地方ならではの料理に繋がっていくと思います。

 

ちなみに一般の方でもこちらは見学可能です。

 

いや、本当に富山は食の宝庫ですね。

 

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お昼は福助。

富山初日のお昼は蕎麦「福助」さんに行ってきました。

 

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古民家を改装した富山らしい装い(イメージ?)

平日にもかかわらず、ランチからビックリするくらいのお客さんの数でした。

 

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待ちの方々がいるにもかかわらず、お任せコースで昼からダラダラとワインに日本酒に楽しんでしまってスイマセン(笑

 

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こちらはお任せで出して頂いたデュマさんのヴァン・ムスー

青リンゴのような爽やかな香りが和食にも合わせ易かったと思います。

「長野以外のワインで!」と言い忘れてしまったので、飲んだ事が無かったワインが出てきて良かったです、、。


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こちらはお店から満寿泉さんの「Do you know 土遊野」

 

てっきり満寿泉さんらしい自然派ワインのようなネーミングにエチケットだな、と思いましたが、「土遊野(どゆうの)は地元の料理人さんの信頼厚い農業集団なんですね。

 

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こちらは季節の天ぷら。

ふきのとう、白馬にいたので今シーズン初めてですね。

白い根菜はパースニップだったでしょうか?

 

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富山の季節を感じられるお料理の数々に、お蕎麦も通常のツユに加えて鴨ツユまで付けて頂いたり。

どちらも美味しくて大満足。

食事後も「お蕎麦屋さん?」とハテナが付きそうなくらいワインに詳しい店主と話しが盛り上がってしまいました。

 

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こちらはまた来シーズン、白馬の仕事が落ち着くかその前か、また伺いたいと思います‼︎