焜炉で鴨の炭火焼。
先日も軽井沢の出張料理に行ってきましたが、今回は陶芸の焜炉や鍋を使用したいというご要望でした。
こうした焜炉を使った事が無かったので事前に実物を見てきましたが、下に水を張る水焜炉でサイズもかなり大きめでした。
上が信州フランス鴨、下は黒姫鶏で腿はミンチ肉や胡桃、山椒を入れたバロティーヌ。
初めての焜炉で火力も分からなかったので、両方とも胸は骨付きでオーブンで9割方火を入れておきました。
料理スタート前に1時間くらいゆっくりゲストの方々と歓談を楽しみたいという事で、簡単なお摘みのリクエスト。
左上から時計回りに姫木平「メゾン・ドゥ・ジャンボン・ド・ヒメキ」のサラミ、赤玉葱、胡瓜、細アスパラ(下部)、ミントのタルトレット、アンデスレッドと黒姫鶏の和え物、山葵サワークリームと細アスパラのタルトレット、キタアカリと黒姫鶏の和え物。
真ん中が信州フランス鴨腿肉のミンチと根曲がり竹、新ジャガのクロケット。
最初のアミューズは東御産のブロッコリーのピュレにライムジュレ、上には佐久穂「いそベジ農場」磯辺さんのスナップエンドウ。
この時期の豆類の美味しさは素晴らしいですし、生でも美味しいくらいのサイズを選んで頂きました。
皮はジュースにしてブロッコリーに混ぜました。
「八千穂漁業」の大岩魚な柑橘マリネに山羊乳のババロア、「いそベジ農場」のカブ。東御産のワラビ。
八千穂漁業さんの川魚が初めての方がいらっしゃれば、大抵は前菜でお出ししています。
八ヶ岳の雪解け水が流れ込む養殖場で育てられた川魚は素晴らしいクオリティです。
いつもそこに地元野菜を合わせますが、今回は磯辺さんのカブ。
同じくこの時期には必ずお出しする山羊乳はババロアにしました。
ここで炭の状態も落ち着いたので、焜炉で焼いていきます。
何とも綺麗な炭の色です。
先ずは野菜から。
今年は天候が合わずにかなり早めの東御のアスパラ。
今年はこの辺で終わりそうです。
もう一つは北信の根曲がり竹。
皮付きで焼きたいところですが、採れたてでお出し出来ないのと火力が読めなかったので下処理をしてあります。
美味しい上部を焼きに回して、下部は小さな四角に切り揃えてクロケットに混ぜました。
ゲストも家主も根曲がり竹は初めてだったので好評でした。
焼けたアスパラの写真がありませんが、素晴らしい焼き色でした。
自分が思っていたよりは火力は強めで持続時間も長かったです。
もう一つの蓋付の鍋で、お肉の付け合わせの温野菜を作りました。
蓋には穴が開いていたので無水鍋ではありません。
今回は季節野菜並べて、水、バター、タイム、塩を入れて15分ほど蒸し焼きにしました。
メインの鴨と鶏を骨から外して炭で焼いていきます。
思ったより火力が強かったので、皮目もしっかり焼けました。
休ませた時間もたくさんあったので、綺麗に火が入って最高の鴨料理になりました。
信州フランス鴨は窒息鴨なので、鴨独特の血の滴るような素晴らしい味わいだったそうです。
やはり炭で焼いた鴨は美味しいですよね。
最後にフロマージュも。
奥から春日「Bosqueso(ボスケソ)」是本さんのシェーブル「Tenrai(テンライ)」、東御「アトリエ・フロマージュ」のブルー、「清水牧場」のバッカス。
最初から最後までほとんど全て信州産の食材で作らせて頂いたので、ゲストの方々も信州の食の豊かさにビックリされていました。
正直、使った事も無い道具ばかりで大変ではありましたが、喜んで頂けて良かったです‼︎
ハーブの株分け。
長者原の西洋野菜「アトリエノマド」池田さんにルバーブやハーブの株分けをして頂きました。
こちらがルバーブの株。
ルバーブは耐寒性があるので、ウチの畑でも問題無く越冬出来ます。
塊になっているので後で小さな株に分けますが、最近は気温が高過ぎるのでもう少し落ち着くまではこのまま畑に植えておきます。
色々な種類のミントも株分けして頂きました。
ウチの畑は増える前に仕事で摘んでしまうので、なかなか増えていませんでした。
こちらも根が絡まっているので、塊で頂きました。
しばらくこのまましっかり水をあげて植えておきました。
雨予報の前を見計らいながら、気温の下がる時間に作業。
小さな株に分けて適当な間隔で植えました。
池田さんの畑はミントなどのハーブが採り放題。
この状況を作りたいですね。
以前、ニースの農家さんを伺った時に出して頂いたフレッシュハーブティーが凄く美味しくて、あれをここで作りたいと思っています。
レストランの食後の飲み物は男性は大抵はコーヒーなのですが、女性はハーブティーが多いです。
水耕栽培のハーブは香りも無く、原価的にも厳しいですし、乾燥ハーブよりはフレッシュの方が良い香りがします。
軽井沢の繁忙期にはハーブが最盛期ですから、しっかり畑から香り豊かなハーブティーを作れたらと思います。
少しウチの畑の様子も。
他の地域より寒い自分の畑でもやっとボリジが咲きました。
他にも食用花は育てていて、これからのお皿を彩ります。
セルフィーユも今年は苗の仕掛けが遅くて生育が心配でしたが、最近の寒さで元気を取り戻しました。
ディルは既に零れ種でたくさん出てきます。
こちらはリーフフェンネル。
ディルと合わせて川魚のマリネなどに使用しています。
畑を散歩しながら今採れる物を頭に入れているので、そこから食材の組み合わせを考えます。
東京みたいに何でも手に入る訳では無いので、畑と相談しながら料理を作ります。
これから畑も更に充実して軽井沢も繁忙期に入っていきます。
地元食材や自前のハーブなどを使いながら、その土地らしい料理でおもてなし出来たらと思います。
bricolage bread & co.でランチ。
六本木ヒルズ横にオープンしたばかりの「bricolage bread & co.(ブリコラージュブレッド &カンパニー)」に行ってきました。
パンを買いに行ったのですが、凄い行列だったので、併設のレストランに入りました。
メニューには拘りのオープンサンドが書かれていますが、最初にスープとサラダ。
この日のスープはカブでした。
メニューにはメインになる拘りの食材が書かれていました。
こちらは吉田牧場さんのカチョカバロ。
デザートのバーミキュラに入った熱々のフレンチトーストにはシロップ代わりに煮詰めた味醂と冷たいアイスクリーム。
ドリンクメニューも美味しそうなお茶やビールがズラリ。
使われる鍛冶屋製作のフォークやナイフも凄く拘っていて、サービス中の生江シェフが熱心に説明してくださいました。
雰囲気が凄く素敵でふっと思いましたが、この感じはまるで「軽井沢」ですね。
六本木ヒルズの近くではありますが、レストランスペースから見える景色は落ち着いています。
車通りも少ない脇道に入った景色で、緑が綺麗に見えます。
軽井沢ではここまで拘ったお店が思い付かないので、何処かのお店が同じ事を始める気が、、。
(雰囲気的にはサワムラさんが近いです。)
帰る頃にはパンの売り場の列も落ち着いたので幾つか購入させて頂きました。
自分の周りでも凄く話題のお店だったので、滅多に東京に出ない自分としては来れて良かったです。
l'equateurでRayasを飲む会。
予約の取れない麻布十番のレストラン「l'equateur(エクアトゥール)」でRayas'96を飲む会に参加してきました。
軽井沢のワイン会で参加者の方とRayasのワイン話で盛り上がり「先代最後の'96があるから一緒に飲もうよ。」からその場で予約して決まりました。
主催者の方が'96赤を開けてくださるので、自分は蔵からRayasと予備でBeaucastelの白を準備しました。
結局、2本とも開きましたが(笑
フランスから本帰国する時に円高で貯金のユーロを円に換金すると損をする状況でした。
換金しても勿体無いので、パリ在住中に作ったコネクションでワインに変えていました。
こういうお誘いにもある程度対応出来るワインは蔵にあると思います。
同じChateauneuf-du-papeでもラヤスとボーカステルでは葡萄品種が異なります。
只でさえ少ないシャトーヌフの白を同時に飲み比べられたのは面白かったと思います。
更に2本ともフランスからのハンドキャリー。
特にRayasの状態が素晴らし過ぎて、参加者の皆さんに喜んで頂けて良かったです。
お料理を何品か。
牛肉と鮑に下にはお米、鮑肝のソース。
トリュフかけヌードル。
他にも雲丹にイクラに季節のじゅん菜、、。
「そりゃ美味いよ!」と唸ってしまいますが、その当たり前に美味い食材を更に上に押し上げる料理。
ベースはフレンチですがそこまでそこに拘りも無いみたいで、和食でも中華でも何でも取り入れて調理される小野シェフの感性の光る料理でしょうか。
地方では絶対に出せない、何でも手に入る東京らしい料理だと思いました。
予約が取れないのも頷けますね、、。
本当に良い勉強をさせて頂きました。
別のお客様にPignan(Rayasのセカンドワイン)まで頼んで頂き、豪華なシャトーヌフ祭りになりました。
ワイン好きな方々と日本ワインについても議論しました。
「幾らお金を出しても良いから、美味いワインが飲みたい。」そうで、こうした層もNAGANOワインの発展には必要だと思います。
ルロワ女史が自身の理想を追求してワイン造りが出来るのも、どんな値段が付いても支える消費者が存在するからですからね。
確かに昔と比べたらこうしたワインは高くなりましたが、だからと言って勉強しない理由にはならないと思います。
「世界が恋するNAGANOワイン」を謳うなら、こうしたワインも知った上で「長野のワインも美味しいですよ!」と言えるように、しっかり自己投資して勉強していきたいと思います。
矢野さんのワインを購入。
矢野さんの初リリースワイン「Remerciements Blanc 2017」(Ferme 36)を購入に、大町のリリース、試飲会場に行ってきました。
大町の酒屋さんに紹介して頂き、畑に初訪問したのが今年の1月。
いよいよ初リリースという事で伺いました。
旧名は矢農園、現在はFerme36。Fermeは農場、36は北アルプス山麓ということで山麓から。
Remerciements(ルメルシマン)は「感謝」の意味。色んな方々に支えられて出来た、このワインらしい名前です。
ファースト・ヴィンテージのこのワインはシャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、シュナン・ブラン、ツヴァイゲルトレーベなどの混醸白ワインです。
ピノ・グリの比率は高くないのですが、その香りが1番出ているのが混醸の面白いところでしょうか。
長野の「クリサワブラン」みたいなワインが出来たら嬉しいんですけどね、、。
生産本数が少なく自分もどうして飲もうか、と考えていましたが、矢野さんがココファームの元同僚「斉藤 政一さんにも飲んでもらいたいなぁ、、。」と仰っていたので、今年のブルゴーニュ土産で政一さんと飲もうかと思います(笑
急ピッチで摘果作業。
東京のイベントから長野に帰ってウチの果樹園の摘果作業の続きです。
今年は花が咲くのも早かったので、摘果作業も5月下旬頃からスタート。
出張料理や料理の仕事以外はほぼ畑仕事をしています。
摘果は良い実を育てる為に、小さい物やサビの付いた実を落としていく作業です。
勿体無い気もしますが、美味しい果実を育てるには大事な作業です。
貴陽、太陽のスモモ類からプレジデント、サンプルーンなどのプルーン類、洋梨、ラ・フランスにリンゴ各種。
野菜などはその年から育てられますが、果樹はそうはいきません。
果実を得るまでに最低3年はかかります。
立派な樹になるにはそのまた数年後。
家が代々、果樹栽培をしている事は自分の強みだと思います。
出来の悪い物は加工してデザートなどに使えますし、コンフィチュールや果実酒などの保存食にも出来ます。
果実酒はフランスから帰国してからずっと漬けていますから、1番古い物は7年になります。
(上の写真がフランスから帰国した最初の年の土蔵内の様子です。)
と言いましても、1年何も手を付けなければアッと言う間に果樹はダメになってしまいます。
畑と料理の両立は自分の働き方だからこそ何とか出来ています。
梅雨も近づき、これから天気が崩れそうなので、ピッチをあげて早く終わらせたいと思います!
Aperture Farmのワインを回収。
抽選に当たったので「Aperture Farm(アパチャー・ファーム)」田辺さんのワインを頂きに東御のアルカンヴィーニュまで行ってきました。
今回は生産本数が少ない事から抽選でしたが、無事に当たりました。
送って頂く事も出来ますがずっと仕事の買い出しでこの界隈に来ているので、買い出しついでにアルカンヴィーニュに寄りました。
近くなのに送料が勿体無いですからね。
今回は白1本に赤2本です。
田辺さんのワインは毎回エチケットと名前が変わります。
赤が「Monster '17」品種はメルロー。
生産本数は296本。
白が「Smile! '17」品種はシュナン・ブラン。
生産本数は96本。
2017年は難しい年だったそうで、生産本数もかなり少なめです。
生産本数は少ないですが、ワインは良い物が出来たみたいです。
イベントに使えるだけの本数もありませんから、日本ワインが好きな方々の集まりで開けて終わりでしょうか?
少し寝かせた方が良いそうなので、開けるのを楽しみにしばらく蔵の中で寝かせたいと思います。