白馬でお疲れバーベキューパーティー。
白馬シーズン終了の前日、会社の貸別荘で開かれたバーベキューパーティーに行ってきました。
やはり炭で焼く肉は美味いですね。
肉好きな外国人が多いだけに、大量にあった牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉、、綺麗に無くなりました。
飲み物は雪に刺さったアルコールが飲み放題。。
これでもか、という勢いで刺していました。
この日はいつもはあまり話さない他のホテルスタッフとも色々話しました。
てっきりグループ内のホテルスタッフのみだと思って行きましたが、色々声をかけたのか見知らぬ方々まで、、。
自分は人一倍体が弱いのと(20代は過労で2回入院しています、、。)白馬のシーズンが長丁場(4ヶ月)なので、体調管理の一環でシーズン中は仕事終わりに飲みに行く事はありません。
しかし意外と皆さんは飲みに行くわけで、あまり他の白馬の住人と話す機会がありませんでした。
今回のバーベキューパーティーは、自分にとってはホテルグループ以外の白馬の方々と話す良い機会になりました。
解放されていたので、久しぶりに貸別荘の中を見てきました。
貸別荘のリビングから見たゲレンデです。
滑りたければ、外に出てすぐにゲレンデがあります。
ビリヤード台やワインも完備。
オーストラリアといえばペンフォールドのグランジがすぐに頭に浮かぶかもしれません。
自分も15年前に行きましたね、、。
天候不順でも別荘内で体が動かせるようにジムも有ります。
家族連れや少し大きな団体でも対応可能なので、シーズン中は凄く利用があるみたいです。
来シーズンは何軒かある貸別荘への出張料理もアリですね。
しばらく軽井沢で仕事だったので掃除を残りの外国人スタッフに任せていましたが、ビックリする位に綺麗にしてくれていて自分の掃除はガス周りで半日で済んでしまいました。
こうしたところは昨シーズンのスタッフに比べて今年は優れていました。
毎年、ワーキングホリデービザなどで来る外国人と働くので、働いてみないとどんな傾向のチームになるか分からないのが難しいところです。
英語の習得、地元食材やNAGANOワインの販売、数字管理、メニュー開発、、。
特に白馬業務は外国人と働くという事で色々大変ではありましたが、自分にとっても良い経験になりました。
3月31日で白馬のホテル業務は全て終了です。
4月はは5月6月に備えて遅れ気味の畑仕事をしたいと思います。
軽井沢で古酒ワイン会。
白馬のホテルレストランがシーズン終了と共にクローズになったので、先週末は一度佐久に戻って軽井沢で出張料理に行ってきました。
この日はゲストも豪華だったので、飲み物を担当された方も凄く豪華な古酒を持ち込まれました。
メインのワインはVega Sicilia"Unico"'22
1922年なので戦前のワインです。。
自分も頂いたのですが、まだまだ元気ですね。
あと10年は寝かせられそうでした。
以前にラトゥール'18も飲んだ事があるのですが、グラスに注いだ瞬間は良かったのですが、5分後にはビネガーになっていました。
勿論、ボトル差もあるでしょうが、スペインワインのポテンシャルの高さに驚きました。
こちらも初めてだったので飲んでみたかったBaroletのMorey-St-Denis'69
まさかバロレコレクションなんて飲めるとは思いませんでした。
飲んだ事の無いワインばかりで大変勉強になりました。
アラン・ロベールのマグナムから始まり、ラヴノーやシャトーグリエ'80まで。
赤もシャトー・ラフィット'90があるのに、このラインナップだと霞んでしまいます、、。
食後のフロマージュに合わせたVouvray'59も素晴らしい。
ヴーヴレイのドゥミセック古酒を合わせるやり方もあるのかと勉強になりました。
料理は全部で5品+フロマージュを作りました。
白馬からの強行で仕込みだったので、こちらは白馬のホテルで出しているパテの改良版です。
温かいパテでしょうか。
そちらを一口サイズにしてあります。
隣は信州サーモンのタルタル。
ケッパーの代わりにキブシの塩漬けを戻して叩いて加えました。
地元の木の実の塩漬けは食材の足らないこの時期に重宝します。
地元、佐久穂町の八千穂漁業さんから仕入れた大王岩魚をマリネにしてお出ししました。
柑橘でマリネしてアーモンドオイルで風味付けをしています。
今回のシャンパン、ワインが古い物が多いので、ナッツ系の香りは合うかな、と考えました。
まだ日本未入荷のこのナッツオイルは香りが素晴らしいんです。
地元の生ハムを挟んだ玉ねぎのキャラメリゼです。
自分がパリ時代に働いていたPassage53のスペシャリテ。
玉ねぎの甘みと生ハムの塩味、キャラメリゼした香ばしさが古い赤ワインとよく合うんです。
バロレ辺りにはよく合ったと思います。
こちらは定番になりつつあるSPFポークと山葵サワークリーム。
塊で焼いて切った瞬間の断面が好きです。
最後にフランスから購入した塩を一振り。
胡椒は邪魔になるので振りません。
癖の無い滑らかなワインには料理も尖らない方が良いと考えています。
その点ではSPFポークは癖が無くて、こうしたワイン会にはピッタリです。
付け合わせは白土馬鈴薯にプチヴェール。
メインは県産の鹿です。
意外だったのが、今回の参加者で鹿を食べるのが初めてという方が多かった事です。
牛肉だとツマラナイので鹿にしたのですが、これは正解でしたね。
古典だとポワヴラードソース(胡椒を効かせたソース)を合わせますが、今回のワインにはNGです。
枯れたニュアンスを付けるのに干し柿のブランデー漬けを添え、そのブランデーを詰めてソースに加えました。
付け合わせは甘みの増した雪下人参のピュレです。
こちらの料理が1番評判が良かったです。
食後酒も完全におかしな事になっています。
今回の飲料担当者に脱帽です。
こんな素晴らしい食後酒を嗜みながらのプロの方が弾くピアノ演奏も素晴らしかった、、。
ゲストがお帰りになった後はホストの方々と部活の合宿のノリでルーミエ。
こちらは大成功だった会のお疲れワインでホストの方から頂きました。
白馬から帰って買い出しや仕込みにバタバタでしたが、とても贅沢をさせて頂きました。
本当に素晴らしいワインを試飲させて頂き感謝です。
軽井沢の仕事も無事に終わったので、白馬に戻って最後の大掃除と戸締りをしてきたいと思います!
《告知》第7回ア・ベー、コラボディナーの御案内。
《お知らせ》
この度、パリ時代の友人、阿部シェフとコラボディナーイベントを彼のお店で再開、実施する事になりました。
日時:5月20日(土)、5月21日(日)両日とも18時から開場。
場所:「Restaurant àBêe(ア・ベー)」
内容:阿部シェフとお互いの地元(長野、鳥取)で旬を迎えた食材を用いた料理7品をご提供致します。
その各お料理に合わせてワインをご提案。
ワインは全て原材料から醸造、瓶詰めを日本で行う「日本ワイン」です。(こちらも自分達の地元中心です。)
自分の蔵にストックしてある信州の希少なワインも多数ご提供致します。
募集人数:両日限定10名様。
参加費:16000円(税込)
お車、バイクでのご参加はご遠慮ください。
当日、キャンセルは仕入れ等の関係もありますので、申し訳ありませんが全額頂きます。
(テーブル席で相席になる可能性がありますが、何卒ご了承ください。)
カウンター越しにお話をしながら、楽しい会にしたいと思います。
皆様のご参加、お待ちしております。
「Restaurant àBêe(ア・ベー)」
AD:東京都世田谷区尾山台3-24-11
TEL:03-3701-6930
信州ワインを購入。
白馬の仕事も落ち着いてきたので、県内のワイナリー、酒屋巡りを再開しました。
昨年、早稲田「料飲稲門会」の方々と見学した東御「Domaine Nakajima」ですが、その造りの拘りに驚き。
早速、今年リリースのワインを購入しました。
(あまりに入荷本数が少なかったので、シュナン・ブランは購入出来ませんでした、、。)
サミットで使われたメルシャン「Omunis'12(オムニス)」ですが、こちらは天候的には難しかった13年です。
どちらかというと、そんな難しかった年にどんな造りをしたのか興味あり。
同じ理由で丸子近くのファンキーシャトーの東山「Merlot'13」(樽熟18カ月)も比べてみたくて購入。
新しく塩尻に出来た「SunSun Winery」の貴腐ワイン。
サンサンワイナリーは初めて知りました、、。
大きな資本が入っているそうで、ファーストVTのシャルドネもコスパ高いそうです。
高山村にはあの方がコンサルタントで入っているそうな。
その方にも久しぶりに会いたいですし、東御にも新しいワイナリーがたくさん出来るそうですから県内を走り回らないといけませんね。
11月から働きっぱなしだったので4月は仕事をセーブするつもりです。
時間を自由に使えるのがフリーの強みですから、県内のワイナリーをたくさん回って、沢山のお話を聞いてきたいと思います!
開店祝いで39BAR。
生ハムを仕込んだ後は、そのまま佐久の職人の集まり「39BAR(サクバル)」に参加しました。
この日は先日春日にチーズ工房「Bosqueso(ボスケソ)」をオープンされた是本さんの開店祝いで開催されました。
是本さんはHONDAで長年F1の車体空力開発をされた後にチーズ職人になった異色の経歴の職人さんです。
この夜はほぼフルラインナップです。
試作中の地元シードルを使用した物や、隣町のワイナリーのオリ引きした葡萄を使用した物まで多数です。
F1に関わる程ですから、拘りも凄まじい、、。
昼間に生ハム作りをした「Maison du Jambon de Himeki」藤原さんもお誘いして参加して頂きました。
こちらは地元の土屋酒造さんから特別なお酒を瓶詰めして頂きました。
裏もこの通り。
他にも黒澤酒造さん、伴野酒造さんのお酒に県産ワインなどがズラリです。
(ワインは写真を撮るのを忘れました、、。)
料理は持ち寄りなので、地元の料理人の皆さんが手間暇かけたお料理が並びました。
自分は左肩を骨折していたので料理は作りませんでしたが、県産ワインを持ち込みました。
デザイナー、大工の方々が作られた新しい39BARの看板もお披露目です。
様々なジャンルの職人(農家、チーズ職人、料理人、川魚養殖、大工、デザイナー、写真家、酒蔵社長、杜氏、日本利酒チャンピオンなどなど、、。)総勢20人以上が食事や日本酒やワインを持ち寄ってこの日も本当に盛り上がりました。
本当にまた何かが生まれそうな予感がしますね。
これだけの素晴らしい職人がいて、東京からの距離、軽井沢の存在、長野の持つブランドイメージ(野菜や果物が美味しい、自然が豊かなど)、酒、ワイン、野菜、ジビエなど食材が豊富、海が無い(海があるとイメージ的にお寿司や和食の方が強いので)
地方ガストロノミーをやるのに、これだけの条件が揃う場所は他に無いと思います。
チーズや生ハムなどの食のピースも埋まりましたから、そこに自分がどのように関わりながら発信していくか、さらに色々考えていきたいと思います。
佐久に生まれて良かったです。。
地元最高!この日も楽しかったです‼︎
姫木平で生ハム作り。
佐久の職人の集まり「39BAR(サクバル)」メンバーで姫木平「Maison du Jambon de Himeki(メゾン・デュ・ジャンボン・ド・ヒメキ)」に生ハムを作りに行ってきました。
標高1500mの長野の自然環境で作る生ハム工房です。
共通の友人シェフがいたので山梨時代から知っていたのですが、今回が初めての訪問になりました。
建物の中に入ると熟成中の生ハムがたくさんかけられていました。
先ずはオーナーの藤原さんに生ハムの講義を受けました。
実際に生ハムを試食しながら、加工の工程、菌の役割、塩について説明をして頂きました。
豚肉の深い知識と毎年新しい作り方に挑戦する姿に職人の拘りを感じます。
講義を受けた後は窓の開かれた仕込み部屋で生ハム作り開始です。
この日は新潟と山梨からシェフが来られていたので、合同で仕込みました。
先ずは血管の位置を確認しながら、血液を押し出していきます。
力仕事なので骨折で片腕が使えない自分は見学のみでした、、。
しっかり塩をまぶして仕込み完了です。
肉の重さに合わせて塩漬け期間を設けてその後に洗い流して低温熟成に入ります。
塩を洗い流した後の低温熟成期間から逆算すると本来は11、12月仕込みが良いという事なので、自分の例年のスケジュールを考えるとフランス帰りと白馬の仕事前の11月下旬に仕込みですね。
自分用と白馬のホテル用に仕込みましょうか、、。
ちなみにこちらの生ハム作りは一般の方でも参加可能です。
誰でも出来る作業ですし、熟成は藤原さんが行ってくださるので早い物なら1年後には楽しめます。
http://www.jambondehimeki.com/
今シーズンの仕込み期間は終了しました。
また今年の11月からスタートだと思います。
また長野で素晴らしい食の繋がりが出来ました‼︎
NOMA東京の映画を観て。
長野ロキシーで上映中の「ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た」を観てきました。
NOMA(ノーマ)は言わずと知れた世界一に4回も輝いたデンマーク、コペンハーゲンのレストランです。
この映画はそのNOMAのカリスマシェフ、レネ・レゼピが総勢77名のスタッフを引き連れて世界初の試みとして期間限定で行われた「ノーマ・アット・マンダリン・オリエンタル・東京」のドキュメンタリーです。
コース料金が4万円以上、ワインが2万円以上とかなり高額にもかかわらず予約は1日で埋まり、6万2000人がウェイティングリストに名を連ねた事でも話題になりました。
東京の上映中に行こうと思っていたのですが、白馬の繁忙期と重なったのと極端に短い上映期間で断念。
よく探すと全国で1番最後の上映が長野なんですね。ランチ営業の無い平日の時間を利用して行ってきました。
やはり安易に海魚に手を出さない、というようなセリフ(周りに優れたお店が多過ぎる)は印象的で、それは長野で料理人をしている自分にも通じるところです。
海のイメージが強い県なら、先ず最初に食事はお寿司か和食ですよね。
魚を扱わせたら世界一です。
長野は海無し県ですから、最初から海魚を期待して来られる方もいませんし、北陸新幹線を考えたらその先の富山や金沢が優位に決まっています。
自分はそこに長野という地方でフレンチをやる優位性を感じています。
自然に対するアプローチも印象的で、自分が森に入って行く中でのアンテナの立て方の違いは感じました。
パリ時代に初めてPassage53の厨房に入った時もその食材に対する扱いが全然違う事に驚きでしたから、やはりちょっとした事に対する気の持ち方は大切なんだと思います。
フェアの緊張感、緊迫感も伝わってきて、料理人としてはゾクゾクする内容でした。
これもPassage53の話になりますが、2年前のニューオータニのイベントも大変ではありましたがゾクゾクしましたし、あの感覚を思い出しました。
そして最後に今回のメニューの簡単な解説があります。
パンフレットにはこれだけしか書かれていませんが、長野の食材の何と多いことか、、。(おそらくウワミズザクラの間違いですね。)
北欧には行った事がありませんが、おそらく寒い場所で食材にも決して恵まれた土地では無いので発酵や保存の技術が発達したのだと思います。
それは長野県にも通ずるものがありますね。
僕は「長野にいたらどうするか?」を考えながらフランスの滞在先も決めていました。
だからパリ以外は比較的北のベルギー国境付近やノルマンディー辺りに居た気がします。
(後半はワイン好きが高じて休みはブルゴーニュに居ました。)
色々食べ歩きもしましたが、1番好きなレストランはライヨールの「Bras」です。
しかし、僕がフランスの修業先を決める時に今みたいにノルディックキュイジーヌが流行っていたら、ワーキングホリデービザが出来ていたら、長野で応用するにはこれだ!と思ってデンマークに行っていたかもしれませんね。
ちなみに映画のサブタイトルにもある「ANTS ON A SHRIMP」の蟻は長野の物です。
長野上映も長くないので、料理人の方々は是非!